気分が落ち込むは冬のせいなのか?冬季うつの改善・対策方法を考えてみる。
冬になると、特別に気分が落ち込む。最近ではそんな症状を、冬季うつと言ったりするようになった。
確かに今の時期、寒くてなにごともおっくうになる。いつにも増してズボラになる私の暮らしから、冬季うつの改善・対策方法を考えてみたい。
冬季うつって何なの?
冬季うつとはその名の通り、冬の季節になると症状が重くなる。正式には「季節性感情障害(SAD)」と呼ばれ、毎年決まった時期に症状が出るというのが大きな特徴だ。
気分が落ち込んだりやる気がなくなる点は、単なるうつ病と同じだ。が、冬季うつならではの違いもいくつかある。
主な違いは、こんな感じだ↓
・秋(10月頃)から始まり、春(4月頃?)になると軽くなる
・眠気、睡眠時間が増える
・糖分(炭水化物)が食べたくなる
寒い時期だけ特に症状が目立つというのが、大きな違いか。
また、単なるうつだと不眠・食欲不振が多いのに比べ、冬季うつは逆に眠気・食欲が増す。特に炭水化物などの糖分を食べたくなるという。
もともとうつ病も、その日の天気・気温などに左右されやすい病気だ。特に秋から冬は、
・寒暖差が激しくなる
・真冬はそもそも寒い
・日が出ている時間が短い
など、脳や身体に負担がかかりやすい。環境の変わりように引きずられて、よけいに症状が重くなるというのはよく聞く話だ。普段はうつの気がなくても、この時期だけ症状が出てくる人がいてもおかしくない。
眠気・食欲が増すというのはよく分からないが、これはうつ病でなくても経験する人は多そうだ。冬は布団から出たくないし、生き物の本能として栄養を溜め込みたくなっているのかもしれない。
夏型のうつもあるらしい
冬季うつに対し、むしろ夏の方が調子が悪いという人たちもいる。決まった季節に落ち込むのが季節性感情障害だから、夏だけ症状が出るというのもあり得るだろう。
この場合は冬季うつと違い、不眠・食欲不振などの症状が主だ。もしかしたら、夏バテと相まってうつ症状が重くなっているのかもしれない。
基本はうつ病の対策といっしょ
冬だけ症状が重くなる冬季うつには、どんな改善方法があるのか?基本は、単なるうつ病と同じ対策が使える。
主な方法はこんな感じだ↓
・陽の光を浴びる
・昼寝より早寝
・トリプトファンを摂る
・炭水化物を少なめに
・室温と外気温の差に注意
・疲れたら休もう
それぞれ、詳しく見ていきたい↓
陽の光を浴びよう
うつ病の対策でも、日光を浴びるのはおすすめされることが多い。陽の光を浴びることで、幸福を感じる「セロトニン」という物質が多く作られるからだ。
うつ病の人はそうでない人に比べ、脳内のセロトニンが少ないというデータもある。セロトニンは、うつ病改善のカギを握る大事なものだ。
ただでさえ冬は、日が出ている時間が短くて日光浴しづらい。休みの日などは、積極的に外へ出て太陽光を浴びるようにしたい。
昼寝より早寝を
また、陽の光には体内時計をリセットする働きもある。生活リズムの乱れもうつ症状を重くするから、リズムを整える点でも日光浴は効果的だ。
朝日を浴びる効果については、こちらでも紹介中⇒朝日で眠りの質を上げ、睡眠不足解消。朝までぐっすり寝るための秘訣とは?
冬季うつは眠気が増すので、起きる時間が遅くなったり昼寝をしたくなることもあるかもしれない。が、これらもよけいに生活リズムを乱す元だ。
ぐっすり眠りたいなら、なるべく早寝するようにしたい。やはり夜に寝る方が、睡眠の質は高い。
トリプトファンを摂ろう
日光を浴びるとセロトニンが分泌されると言ったが、そのセロトニンを作るにも材料がいる。その材料となる栄養が、トリプトファンだ。
トリプトファンは、肉・魚・乳製品に多く含まれる。特にトリプトファンが多い食べ物はこちら↓
・レバー(牛・豚など)
・鶏むね肉(皮付き)
・カツオ、マグロなどの赤身
・大豆、大豆製品(納豆、豆腐など)
・ナッツ類(アーモンド、カシューナッツ)
・プロセスチーズ
納豆や鶏むね肉は、安くて普段から食べやすい。冬に気分が落ち込みがちな人は、意識して多く食べてみてほしい。
炭水化物の食べ過ぎに注意
食生活の点でいうと、炭水化物の食べ過ぎにも気を付けたい。特に冬季うつは、糖分が食べたくなるというから注意だ。
炭水化物などの糖分を多く摂ると、直後に血糖値がすさまじく上がる。が、その後で血糖値がガクンと下がるということが起こる。
血糖値が乱高下すると、それに合わせて気分の波も激しくなる。イライラしたりやたらと落ち込んだりと、うつに似た症状が出てくるのだ。
特にパンや砂糖を使ったお菓子は、血糖値が激上がりしやすい。できれば、肉や野菜をメインに食べるようにしたい。
寒暖差にも注意
冬季うつの原因には、激しい寒さも関わっていると思う。寒くなると活動量が落ちるのは、生き物として当たり前だからだ。なるべく暖かい環境に身をおくのも、いい対策かと思う。
しかし今の時代は、暖房などの防寒対策がバッチリある。むしろ部屋のなかを暖かくしすぎて、外に出たときの温度差にやられる人が多いんじゃなかろうか。
前にも言ったが、寒暖差が激しくなるとうつの症状もひどくなったりする。あまりガンガンに部屋を暖めるのも、控えたいものだ。
身体をいたわろう
さらに年末年始は、仕事が立て込んで疲れも増える。あまり無理せず、疲れたときは休むようにしたい。
この「休む」というのは、早寝早起きを心がける、ゆっくりお風呂に浸かるなど、心身ともにリラックスしようということだ。連休は夜更かししたり暴飲暴食しがちになるが、くれぐれも控えたい。
生活リズムの乱れは、仕事が始まったとき悲惨だ。その対策はこちら⇒ゴールデンウィーク明け、会社に行きたくないときの5月病の対策と治し方
むしろ連休中こそ、早寝早起きのリズムを取り戻すいいチャンスだと思う。年越しを機に、生活を改めるのもありじゃなかろうか。
なんでも冬季うつにしない
しかし人間、寒くてやる気がなくなるのは仕方がない。なんでもかんでも、うつというのは考えものだ。
冬ならば誰しも多少は、
・寒いから布団から出たくない
・寒いから暖かい場所から離れたくない
・外にもできるだけ出たくない
という気持ちになるだろう。布団から出たくないから睡眠時間も増えるし、運動量が減るから太りやすくもなる。
人間と同じほ乳類のなかにも、クマやリスなど冬眠する生き物もいる。冬に活動量が落ちるのは、自然の流れともいえるんじゃないのか。
「病は気から」という言葉もある。うつだうつだと言い過ぎて、本当に気分が落ち込んでしまうこともあり得る。ちょっとおっくう度が増したくらいで、冬季うつと決めつけないようにもしたい。
たとえうつ病でなくとも、冬場は動きたくなくなったり不摂生が増える。それでは、体調も崩しやすくなるだろう。
調子が悪いと感じたら、早め早めに対策したい。