「夏休み明け、学校に行きたくないなら逃げて良いよ」←今さら?
夏休みが終わり、今日から学校が始まった。学生時代、夏休み明けに「学校行きたくない」と思った人も多いんじゃなかろうか。
(大体8月20日を過ぎた辺りから憂うつになってきて、1日1日終わっていくのが哀しくてしょうがない)
しかしここ数年くらいから、「始業式が辛いなら行かなくていいよ」という声が聞かれるようになった。今まではあまり注目されてこなかったのに、一体どういう風の吹き回しだろうか?
長い休み明けが一番危ない
18歳以下の自殺が一番多い時期が、夏休み明けの前後数日だという。「夜回り先生」の水谷修先生も、この時期は特に警戒していたという話を聞いたことがある。
原因はいじめや勉強の問題など色々だ思うが、「休み明けのプレッシャー」というのはどんな場合でも大きいんじゃなかろうか。学校が嫌な子供ほど、長い休みが終わる絶望感は他の子供の何倍にもなるんだろう。
夏休み明けに限らず、春休み明け、GW明け、月曜日になる直前など、自殺が増えるタイミングは意外と多い。学校や会社に行きたくない人間にとっては、休日の間も「休みが終わる日」を考えてしまって落ち着かないものである。
生活リズムの問題?
本当に学校に行くのが、辛い人もいる。が、単純に生活リズムが乱れすぎて、学校に行けなくなるケースもたまにある。
特に夏休みは、休みの期間が長すぎる。連続で休むよりも、むしろたまに登校日などがあった方が休み明け対策になるかもしれない。
連休明けに、学校や会社に行きたくない問題についてはこちら⇒GW明けからお盆休みの間、仕事を辞めたい気持ちを解消するコツとは?
「学校に行かなくていいよ」の声
それが最近になって、ネット上などで「学校に行きたくないなら行かなくていいよ」と呼びかける人が増えてきた。
2016年は鎌倉の図書館が、「死ぬほどつらい子は学校を休んで図書館へいらっしゃい」というツイートをして話題になった。さらに2017年は、上野動物園が「逃げ場所がなければ動物園にいらっしゃい」とツイートしている。
こういう声が出てくるのは良いことだと思う。が、夏休み明けに子供の自殺が増えるという問題は、今に始まったことじゃない。ここ数十年、ずっとそういう傾向だったのだ。
そういうことを考えると、「ようやく気付いたか」という思いもある。なぜもっと前に、そういうことを言う人が出てこなかったんだろうか。
なぜ「逃げていい」の声が高まった?
ひと昔前なら、学校に行きたくないと言えば「怠け」と思われるのが常だった。増してや夏休み明けの訴えなど、「夏休みボケ」と言われてお終いだ。子供の声を、そこまで深く考えない大人の方が多かった。
そこから一転「逃げていい」の声が出てくるようになったのは、やはり鎌倉市図書館のツイートの影響だろうか。誰かが一声上げると、後から後からどんどん声が上がるようになる。
さらに大人の社会の方でも、「過労死」などが大きな問題になったことも理由かもしれない。ガムシャラに頑張るという空気に、首を傾げる人が増えてきたということか。
ちょっと前に起きた、「アリさんマーク問題」も会社の責任ということになっていた⇒ガイアの夜明け、アリさんマークのその後。国は早くブラック企業を対策しろ。
「学校行かなくていいよ」ツイートの反響はものすごいから、多分来年もどこかが9月前にツイッターで同じように呼びかけるだろう。ついでに春休み明けなどにも呟いてくれないものか。
しかしツイッターは広がるのは早いが、しぼむのも早い。この流れが、単なる一過性のブームで終わらないでほしいと思う。
安全基地が無いから追い詰められる
鎌倉の図書館や上野動物園のように、「安全基地」があるというのはとても大事だ。子供が自殺をするのは、どこにも自分が安心できる場所が無かったのが原因だと思うからだ。
本当なら、家が安全基地になるのが理想かと思う。が、実際にそう出来ているところはほとんど無いんじゃなかろうか。
子供が学校に行きたくないと言って、「じゃあ行かなくていいよ」と思い切れる親もなかなかいないだろう。家族のことになると余計に、人は冷静じゃいられなくなるものだ。
(私も10代の頃、学校に行くフリをして外で時間を潰したことが何度かあった)
そういうときは、自分を知らない人ばかりの図書館や動物園などの方が気楽かもしれない。中には、「裁判の傍聴はタダだよ」という面白い声もあった。
引きこもりがちな人には、こんな場所もある⇒引きこもり女性の憩いの場、ひきこもり女子会に参加した感想。
学校or家庭の2択だと、逃げ場が無さすぎる。もっとほかの、広い選択肢もどんどん紹介してもらいたい。
そのうち夏休み明けに限らず、「学校は行きたくないなら行かなきゃいい」という声が多くなるかもしれない。行き場所がない子にとっては、少しは安心できるようになるといい。
学校に限らず、子供が生きていく方法を勉強できる場所が方法が増えれば、夏休み明けの自殺問題ももっと減るんじゃなかろうか。