「断捨離=ものを捨てる」と勘違いしてるから、片付けが終わらないんじゃない?
断捨離を始めたものの、いつまでも終わらないという人も多いんじゃなかろうか。
時間がない・捨て方が分からないというのは、しょうがないと思う。私が問題だと思うのは、バンバン捨てているにも関わらずずっと断捨離し続けている人だ。
こういう人は、断捨離=ものを捨てるだと思っているのかもしれない。だが断捨離は、単なる片付けには留まらない考え方だ。
ものを捨てるだけが断捨離じゃない
確かに断捨離は、ものを捨てることも含まれる。だがそれは、断捨離のうちの「捨」の部分だ。
テレビでやっている断捨離特集などでは、大量のゴミがでたりする。そのインパクトのせいで、「捨」だけがやたらと取り上げられるようになったんじゃなかろうか。
だがものだけバンバン捨てても、断捨離は上手くいかない。逆にものを捨てることにこだわるあまり、周りと衝突するなどよけいに苦しい思いをしかねない。
時おりミニマリストが家族とぶつかるのも、ものを減らすことに強いこだわりを持っているのが理由の1つだ。ストレスをなくしたくて片付けしているはずなのに、さらなるストレスを呼び込むとは哀しい話である。
じゃあ断捨離ってなんなの?
断捨離とは文字のごとく、残りの「断」と「離」をセットにしたものだ。断・捨・離それぞれの意味は、以下の通り↓
断:入ってくるいらない物を断つ。
捨:家にずっとあるいらない物を捨てる。
離:物への執着から離れる。
このうちの断と捨は、同時にやっていく。ものを捨てることはもちろん、ものを増やさない努力もしていかないといけないのだ。いくらものを捨てても、後から増やすのでは意味がない。
服を捨てては買ってしまう人も、多いんじゃなかろうか。詳しくはこちら⇒世の中、服が多過ぎ。何で服を断捨離するそばから増やすの?
さらに断捨離を日本に広めたやましたひでこさんは、
・断と捨を進めるなかで、ものに執着しない「離」にシフトしていくのが断捨離
というようなことを言っていた。
ここから考えると、断捨離で大事なのは「離」の考え方を身につけることなのかと思う。ものを捨てたり増やさないのは、「離」に到達するための手段なのだ。
「断捨離に終わりはないから」は言いわけ?
断捨離の考え方にそって物を片付けていくと、最終的には執着がなくなっていくはずだ。にも関わらず断捨離をずっと続けている人というのは、「断」と「離」がうまくいってないんじゃないかと思う。
確かに人が生きていく限り、家のなかにものは増えるだろう。が、「断捨離に終わりはないから」とバンバン増やして捨てまくるのは、単なる言いわけじゃなかろうか。自分の物欲をコントロールしきれていないだけだ。
また例えはよくないが、絶食の反動で食べすぎてしまい、後から吐く人にも似ている気がする。ものを減らす・持たないことに、依存しているんじゃなかろうか。物を捨てることだけにこだわるワナは、まさしくそこにある。
執着から離れるというのはものに限らず、自分のこだわりや凝り固まった考え方からも離れることだ。矛盾するようだが、ものを持ちたくない・増やしたくないと強く思うのも、執着の1つと言える。
ものを捨てることで逆にストレスが溜まる人は、「離」の部分をしっかり考えるのがいいかと思う。自分が一体何に執着しているのか、じっくり見つめてみるのだ。
残すもの・捨てるもののことを考える
自分のこだわりを見つけるため、断捨離のときは「なんでこれを捨てるのか?」「これを残したいのはなんでか?」も一緒に考えていく。片付けをしながら、自分の心も見つめるのだ。
これを繰り返していくと、自分が何を大事にしたいかが分かってくる。今まで普通に使っていたものがそこまで必要じゃなかったというのは、断捨離ではよくあることだ。
おなじみのバスタオル1つ取っても、実はいらないかもしれない。詳しくはこちら⇒バスタオルを使わないで1年生活したカレジョの実感。一人暮らしにはいらない?
断捨離の目的は、今の暮らしを快適で身軽なものへ変えることだ。ならば自分がよければ、何を持っても捨ててもいいんじゃなかろうか。「これがないと変じゃないかな?」みたいなのは、ひとまず置いといていい。
ものを増やすときも考える
捨で分かった自分が大事にしている基準は、ものを買ったりもらったりするときも使える。自分の考え方に合っているかどうかで判断すれば、よけいなものは増えないはずだ。
結婚などで生活スタイルが大きく変われば、必要なものや大事なものは変わってくるかもしれない。もしくは年をとって、考え方が変わることもあるだろう。
そういうときは一時的にものが増えたりもするだろうが、後から捨てることはできる。断捨離に終わりがないというのは、人生のタイミングによって必要なものが変わるということなんだろう。
しかしどうせなら、早いうちから簡単にはブレない軸を持っておきたいとも思う。そうコロコロと考え方が変わっては、落ち着いた暮らしも遠くなりそうだ。
断捨離は、ものを捨てるだけじゃない。その先の生活スタイルだったり、考えまで身軽にしてしまおうという方法論だ。
ものを捨てるのは手段であって、目的じゃない。断捨離に行き詰まっている人は、自分がものを捨てた後で何をしたいか考えてみてほしい。