生理休暇の取得率が低い真の原因は、ずる休みする人のせいだ。その理由と対策
生理休暇の取得率が、すさまじく低いということが問題になっている。その理由を考えてみた。
生理というだけで休めないなど、周りが取れない空気というのもあると思う。が、真の原因はほかでもない女性側の行動にもあるんじゃなかろうか。
生理休暇を取るのは100人に1人以下
日本の生理休暇の取得率は、0.9%しかないという。厚生労働省の調査だと、
女性労働者がいる事業所のうち、平成 26 年4月1日から平成 27 年3月 31 日までの間に生理休暇の請求者がいた事業所の割合は 2.2%(平成 19 年度 5.4%)であった。
女性労働者のうち、生理休暇を請求した者の割合は 0.9%であった。
とある。
さらに生理休暇を取らない理由としては、第一生命の調査データがあった。その内容はこちら↓
・取得しづらいため…38.1%
・休むほどのことではないため…33.0%
・生理休暇のかわりに年次有給休暇を取得するため…23.7%
・生理休暇があるかどうか分からないため…13.4%
・有給休暇以外の休暇制度、フレックスタイム制度などを利用するため…4.1%
・その他…4.1%
こちらは、月経痛が重いのに生理休暇を取らなかった人のアンケート結果である。
一番多いのはやはり「取得しづらい」という理由だ。男性の上司には相談しづらい、生理休暇=甘えだと思われるなど、周りに分かってもらえないというのはある。「休むほどじゃない」というのも、そういう空気の影響じゃなかろうか。
生理休暇があることを知らなかった人が、1割以上いるのも驚きだ。もっと制度があることが広まれば、取得率も多少上がるだろうか。
そうして生理に対する理解を広めることも、生理休暇の取得率を高めるには大事だ。しかしここで気にしたいのは、3番目の「生理休暇のかわりに年次有給休暇を取得するため」という理由である。
なぜ生理休暇は無給なのか?
生理休暇のかわりに有給を取るという人は、このアンケートに限らず一定数いる。生理というより、体調不良の方が休みやすいというのはあるだろう。さらに有給休暇だけでなく、フレックスなどを使う人がいることも無視できない。
しかしもう1つ無視できないのが、生理休暇は無給ということだ。給料が減るくらいなら、有給で休むという声もチラホラある。
ならば生理休暇が有給であれば、取得率ももうちょっと上がるんじゃないのか。そこで生理休暇が有給の会社の割合を見てみると、こんな感じになっている↓
こちらも、前の厚生労働省のデータだ。11年前には40%ほどあったのが、3年前では25%まで減ってしまっている。
生理休暇が有給から無給になったのには、雇用機会均等法で働く女性が当たり前になってきたからだろう。だが女性社員の割合が増えたことで、生理休暇を不正利用する輩も増えてきたんじゃないかと私は思っている。
生理休暇の乱用への対策は……
生理休暇の乱用についてネットで見てみると、
・生理休暇で休んだ人をパチンコ店で見かけた
・生理休暇が月によって2週間だったりゼロだったりする
などの情報が出てくる。生理を利用してのズル休みだ。
大体の会社では、生理休暇は自己申告でとくに手続きはいらない。自分がツライと言えば、簡単に取れてしまう。
もともと個人差があるうえ、今はセクハラに対する目も厳しい。男性の場合、生理については未知の領域だから、あまり強くもいえない。
だからといって、そのまま放っておくワケにもいかない。そこで手っ取り早い対策として、生理休暇を無給にしてしまうのだ。
・生理休暇でズル休み→対策で無給になる→結果、生理休暇の取得率が下がる
生理休暇の取得率が1%を切ったのには、こういう原因もある気がする。一部のずる休み女性のせいで、本当に生理痛がつらい女性まで割りを食わされているんじゃなかろうか。
ずる休みする人への対策
たしかに無給にすれば、ずる休みの対策はできる。が、それでは根本的な解決になってない気もする。できれば、生理休暇を不正に利用する人だけ対策したいものだ。その方法を考えてみた↓
生理休暇のタイミングをチェック
女性ならば誰でも分かると思うが、生理は月のうち決まった期間にしかない。直前の生理休暇とくらべてタイミングがおかしいときは、不正利用の可能性が高いといえる↓
・ひと月のうちに2~3回も生理休暇を求める
・月ごとに1週間だったりゼロだったりと、日数がバラバラ
・週末や祝日の前日など、曜日やタイミングが妙に固定されている
男性ならば「そういうこともある」でごまかせるかもしれないが、女性から見れば不自然なのはハッキリしている。こういうときはどんどんツッコミを入れたい。
もし本当にこういう感じで生理痛がツライのだとしたら、子宮筋腫など病気の危険性がある。そういう人には、すぐ病院に行くことをおすすめしてあげてほしい。
証拠の提出を求める
妙な生理休暇を取る人には、証拠を求めた方がいいかもしれない。不正な生理休暇の利用について、同僚の証言を求めることができる決まりだ。
病院の診断書などはいらないとされているが、不正の疑いが強いときはやむを得ないのではないか。病院に行ってましたと言われてしまうなら、診断書を見せてもらうしかない。
そもそも有給を増やす&消化率100%を義務化
しかし生理休暇自体、世界的にみると珍しい制度だという。生理への理解が浅いというのもあるだろうが、海外では有給の消化が義務付けられているところが多い。そもそも、生理休暇がいらないシステムが出来上がっているのかもしれない。
日本は世界的にみて、有給の消化率が低いことで評判の国だ。生理休暇の前に、まずは有給の消化率100%を義務化することの方が先なんじゃという気もする。
生理休暇が不公平だという声も、一部ながらある。この考え自体どうなのよと思うのだが、これは男性の有給休暇を増やせば不満も収まるだろう。有給増&消化100%で、皆ハッピーだ。
生理への詳しい教育が必要だ
生理休暇は、生理がツライ女性にはありがたい制度だと思う。しかし私としては、だったらその生理自体を軽くする方法を教えるのが一番いい解決策なんじゃと考えている。
このブログでは何度も言っているが、生理は生活習慣の見直しで軽くできる。体質など個人差はあるかもしれないが、生理痛が消える望みはあるのだ。
ちなみに生理について知るなら、こちらの本がおすすめ⇒生理でキレイになる本 心と体の大そうじ [ 京谷奈緒美 ]
しかし学校などでは、生理のしくみと対処法だけで生理との向き合い方を教えてはくれない。身体の根っこに関わる大事な問題なんだから、そのあたりの教育もしっかりやった方がいい。
生理が軽くなれば、もっと活躍できる女性はたくさんいるはずだ。女性のみならず、社会的にみてもプラスの効果があるんじゃなかろうか。
生理休暇の取得率が低いのは、そもそも生理に対する考え方や取り組み方が浅いせいだ。女性の健康に深く関わってくることなんだから、もうちょっと勉強した方がいい。
女性の機会平等というなら、女性特有の生理についても考える機会がほしいところだ。