「性犯罪の被害者にも落ち度がある」ならどこまでが自己責任なの?
性犯罪のニュースなどがあったとき、必ず出てくる「被害者にも落ち度が云々」という理論。こういう事を言う人は、頭が化石のおじいちゃん・おばあちゃんなのかな?と思ってしまう。
おそらく「落ち度」族の人たちは、自分たちが性犯罪に巻き込まれる可能性を考えていないんだろう。しかし性犯罪というのは、身近なところで起こりうる犯罪なのだ。
百歩譲って性犯罪の被害者に責任があるとして、どこまでが自己責任に入るのか。あえて、どこまで気を付ければ被害者に落ち度が無くなるのかを考えてみることにした。
性犯罪も男女平等に
最近の法律の改正では、性犯罪は女性のみならず男性の被害者も含まれるようになった。この場合、加害者は女性の場合もあれば男性も場合もある。
私は勝手に、「落ち度」族の大半は男性だろうと思っている。偏見ではあるが、おそらく「男性は女性を狙うもの」という考えが染み付いているんだろうと感じる。
しかしその前提も、男性被害者がいるという点で崩れてしまう。自己責任を考えるときは、「女性も男性も被害に遭う」というところからスタートしないといけなくなってくる。
加害者に狙われないための対策
まずは日頃、加害者に狙われないための用心を考えてみる。男性も女性も油断できないとなると、やるべき対策は相当増えてくるんじゃなかろうか。
取りあえず私が思いついたことを挙げると、こんな感じになる↓
・常に3人以上で行動
・飲み会などは禁止
・日没後の外出厳禁
・ちょっとでもタッチがあったら通報
・電車は完全に性別で分ける
・〇〇帯の着用
パッと見た時点で、「もうオカシイな」という印象が大。それでも一応、説明しておく。
常に3人以上で行動
性犯罪というのは、二人きりになったときに起こりやすい。なので常に3~4人で行動していれば、巻き込まれる危険を減らせるんじゃなかろうか。
ただこれも、被害者以外が全員グルという可能性は捨てきれない。
飲み会などは禁止
性犯罪のシチュエーションで多いのが、飲み会で酔っ払ったときやトイレに立ったときなど。酒の席というのは、性犯罪の温床とも言える。
女性だけでなく男性も被害者になる可能性があるので、男女関わらず飲み会には出来る限り参加しないというのが一番確実ということになる。酒は、一人で飲むのが一番安全なんだろうか。
もういっそ、会社や学校全体で禁止するのが手っ取り早いかもしれない。
日没後の外出厳禁
しかし日が暮れてから、一人で出歩くというのはそれだけで危険とも言える。日没後の外出は、とにかく避けるに限る。女性のみならず男性もだ。
しかしそうすると、毎日の仕事も日没までに終わらせないといけない。店も会社も、日が暮れる前に閉めて従業員を家へ帰すようになるだろう。
これはこれで、労働問題の解決になって良いかもしれない。犯罪も減るし仕事も楽になるしで、一石二鳥と言える。
ちょっとでもタッチがあったら通報
「落ち度」族の言い分では、ハッキリNOと言わないのも自己責任になるらしい。ならばちょっとでもタッチがあった瞬間に、即刻警察に通報すれば良いんだろうか。
しかも異性間のみならず、同性間のタッチも通報のターゲットになり得る。もはや気軽に握手もできない。
電車は完全に性別で分ける
痴漢も立派な性犯罪であることを考えると、電車の車両を完全に男女で分けるのは良い対策かもしれない。
それでも同性に対する性犯罪もあるので、100%安全とは言えない。
〇〇帯の着用
今は完全にアダルトグッズの扱いなので、名前を完全に出すことは伏せさせてもらった。
昔の世には、貞操を守るための器具があったらしい。これを現代の世にも復活させれば、性犯罪は激減しそうだ。
しかし今は、これを誰かに無理やり着けさせるのは人権侵害になる。ちなみに私は絶対に着けたくない。
加害者に狙われたときの対策
さらに日頃からの防犯意識だけでなく、実際狙われたときの対策も考えてみた↓
・空手などの護身術は必須
・逃げるための脚力も必須
・スタンガンなどの携帯を勧める
・常に身の回りの気配に警戒
自己責任を逃れるために、ここまでやる必要があるのかという気がやはりしてくる。が、一つづつ説明していく。
空手などの護身術は必須
「落ち度」族はまず、「抵抗すれば防げた」的なことを言う。そのためには、相手を打ち負かすだけの技が必要になってくる。
特別な訓練を受けていない人がいきなり襲われても、抵抗するというのは不可能。これは生物の本能的に仕方のないことだ。
そのうえで自己責任と言うなら、一通りの護身術は必須ということか。もう合気道などを学校の必須科目にするしかない。
スタンガンなどの携帯
護身術が難しいなら、護身用グッズという手もある。スタンガンを持っていれば、いざというときも安全だろう。
しかし男女全員がスタンガンを持つとなると、今度は逆に加害者がスタンガンを使う可能性もありそうだ。防犯グッズも、一歩間違えると犯罪に利用されかねない。
逃げるための脚力も必須
護身術とともに、相手から逃げ切るだけの脚が必要かもしれない。毎日100メートル走で足を鍛えねばならないのか。
常に身の回りの気配に警戒
そして最後は、常に身の回りに神経を張り詰める。スマホいじりはもちろん、ただボーッと歩くことも許されない。
家にいるとき以外は、常に臨戦態勢を整える。自分の身を守るというのも、なかなか大変だ。
自己責任は不毛だ
「落ち度」と言っていた人たちは、果たしてどこまで完璧に対策が出来ているだろうか?自己責任と言うからには、まず自分たちが完璧に対策してみせるのが筋じゃないのか。
ここまで対策を書いといて言うのもアレだが、自己責任を突き詰めるとキリがなくなってくる。上に書いたようなことをやってのけるのは、ゴルゴ13レベルの人材だけじゃなかろうか。
もしこれが性犯罪じゃなかったとしたら、そこまでしなくてもと皆思うだろう。やはり自己責任をアレコレ言うのは、実に不毛だと思う。
性犯罪も犯罪だ
性犯罪という割に、性犯罪は「犯罪」という印象がどうも薄いように思う。
まずはここを改めて、性犯罪も立派な犯罪だとしっかり植え付けないといけないんじゃないだろうか。無理やり性行為に及ぶことが悪いことだと、学校レベルからしっかり教える必要がある。
そのためには「悪いことは悪い」と教えるだけじゃなく、正しい性教育も必要だろう。性犯罪が許される裏側には、いい加減な性の知識しかないことも原因にあると思う。
性教育では男女に限らず生理のことを教えたり、性交渉がどういうものかしっかりした知識も伝えないといけないだろう。もう、「性は恥ずかしいもの」という考えは古いんじゃなかろうか。
自己責任云々と言っているうちは、性犯罪は許されるものになってしまう。悪いことは悪いという普通の考えを、もっと当たり前にしていかないといけない。
未だに「落ち度」という奴らには、「じゃああなたは完璧に対策してるんですね?」と聞いてみたいものだ。