トマトに起こった悲劇。ペットボトル栽培の落とし穴とは?水耕栽培キット・ポットランド観察記(7)
室内で野菜が育てられる水耕栽培キット、ポットランドの観察記。今回は、我がプチトマトを襲った悲劇について話したい。
これまで順調に育っていたが、育ちすぎが裏目に出たのかもしれない。水耕栽培を考えている人は、ぜひこの記事を読んで教訓にしてもらいたい。
ペットボトル、落下
結論からというと、窓際に置いていたプチトマトの苗がペットボトルごと床に落ちてしまった。苗が傾いて、ペットボトルがその重さに耐えきれなかったのだ。
おかげで床は水浸し、苗に付いていた実も全て取れた。さらに哀しいことに、一部の茎がポッキリと折れてしまった。
折れた茎は、一応補強してみたものの……↓
これで再生すれば儲けものと思ったが、数日経つとだんだん折れた部分が枯れ始めてしまった。やはり、一度折れた茎はもとに戻せない。ただ1つ幸いだったのは、実だけは腐らずに熟してくれたことだろうか。
ペットボトルが落ちた瞬間はショックで頭が真っ白になって、その日一日の気力が一気に失せた。コツコツと育ててきたものが、一瞬でダメになったときの絶望感はハンパない。
前回、茎を補強するために支柱も買ったのだが……。詳しくはこちら⇒ミニトマトを虫食い対策で守れ。水耕栽培キット・ポットランド観察記(6)
トマト実食
しかし、ショックを受けてばかりいてもしょうがない。落ちてしまった実はすぐに回収した↓
いい機会なので、収穫したプチトマトを夕飯に使ってみた。そのときのメニューがこれだ↓
毎日食べている雑炊のなかにプチトマトを放り込んで、一緒に煮込む。若干だが、赤みが添えられて鮮やかにみえる。
見た目はいいが、肝心の味はどうなのか?いざ実食してみると……
「トマトの酸味が効いてて、意外と美味い!」
実が熟しきっていないので、甘みはゼロ。が、逆にトマトの酸味を存分に味わうことができた。これはこれでありだと思った。
なにより、自分で育てた野菜を食べるという体験はなかなか無い。夏から始めて数ヶ月、苦労のかいがあったというものだ。
プチトマトの苗への対策
もっと肝心なのは、残ったプチトマトの苗だ。かなりのダメージを受けたものの、まだ完全に死んだわけではない。来年の収穫のためにも、より安定して育てるための対策を考える。
真っ先にどうにかしないといけないのが、苗の不安定さだ↓
どうも、ポットランド本体に入れたままでは窮屈な感じがする。茎が大きく育ったために、ポットランドでは小さいようだ。
根元はこんな感じになっている↓
なんとなくだが、根っこも伸び伸びと広がりきれてないように感じる。そこでまずは、苗を本体から取り出すことにした。
私がやった方法は、こんな感じだ↓
・ポットランド本体に付いている輪っかに切り込みを入れて取り外す
・ポットランド本体から苗をそっと引き抜く
・代わりの支えを用意して、苗に付け替える
・支柱をガムテープでペットボトルに固定する
それぞれの手順について、詳しくお話する↓
輪っかに切り込みを入れて取り外し
いきなり取り外そうとすると、ポットランド本体に引っかかってしまう。まずは、苗を固定している輪っかを外すことにした。
ポットランドの輪っかとは、葉っぱの飾りが付いている部分のことだ↓
これに、カッターで切り込みを入れて取り外す↓
ポットランドはゴム製なので、難しくはない。カッターを使うときは、苗を傷つけないよう慎重に切り進めたい。
ポットランドから苗を引き抜き
輪っかを取ったら、ポットランドから苗を引き抜く。根っこをブチッと切らないよう、そっと取り出すのがコツだ。
ポットランドから外すと、こんな感じになっていた↓
根っこが、ポットランドの形にギュウ詰めされていた。これでは窮屈なはずだ。
苗を直接ペットボトルに入れれば、多少は伸び伸びできるだろう。その効果で、より大きく育たないかと密かに期待している。
代わりの支えを用意して付け替え
しかしそのままでは、ペットボトルの口が広すぎて苗が固定できない。ポットランドに代わる支えを、自前で用意する必要がある。
自宅を家探しして、私が見つけたものがこちら↓
これは、キッチンの排水口に備え付けられていたゴミ受けのカバーだ。ゴミ受けを洗うときに邪魔くさいので、引っ越し初日に取り外してそのままになっていた。
真ん中の穴とゴムの柔軟性が、意外と苗の支えにちょうどいい。なかなか優秀だ。
おそらくだが、似たようなカバーは100円ショップやネット通販でも売っているはずだ。家にないときは、近所の店を探してみて欲しい。
ネットで売っているものはこちら。税込みで300円と、ちょっと高い↓
| 流し用 菊割れゴム 排水口 ふた 直径80mm用 ( ゴム蓋 排水… |
支柱をガムテープでペットボトルに固定
カバーの支えだけでは不十分なので、支柱も取り付ける。私は、ペットボトルに直接ガムテープで固定することにした。
カバーの支えを付けて、支柱を固定するとこんな感じになる↓
見た目はかなり不格好だが、何とか育てられそうだ。苗も沈むことなく、まっすぐ自立できている。
今は元通り窓ぎわに置いているが、苗は安定している。お手製の水耕栽培容器も、悪くはないものだ。
ポットランドの限界を感じた
しかし今回の事件で、ポットランドで野菜を育て続けることの限界を感じた。最初のうちはいいが、苗が大きくなると手狭に感じてしまう。
苗が傾いたのは、私が早くから支柱を取り付けなかったせいだろう。その点は反省しないといけないが、それでもポットランドから苗を外す日は来たんじゃないかと思う。
ただ、種を植えて発芽させるステップを、ペットボトル1つでできるキットはほかにない。初心者にも簡単に水耕栽培を楽しめるキットとしては、ダントツでおすすめできる。
そのうえで気をつけたいのは、
・早いうちから支柱を付けておくこと
・ある程度育ってきたら、鉢植えに移し替えるかより大きな器を用意すること
・そのままペットボトルで育てるときは、変わりの支えなどがあるとよし
ということだろうか。早め早めに対策すれば、私のような悲劇を起こさずに済むだろう。
数々の困難を乗り越えてきたトマトだが、寒さが厳しくなって元気がなくなってきた。葉っぱが枯れて、枯れ木のようになっている。
来年も育てたいので、冬越しの方法を考えないといけない。我が家はかなり寒いので、なにかビニールハウス的なものでもあるといいんだろうか。