睡眠不足解消の極意とは?ショーン・スティーブンソン著「SLEEP」感想。
ショーン・スティーブンソン著「SLEEP」を読んだので、感想を紹介したい。ショーンさんは睡眠改善で腰の持病まで治した、眠りのプロフェッショナルとも言える人だ。
私自身、眠りの環境が変わったことで生活リズムが180°変わった経験がある。睡眠1つで人生が変わるというのも、大げさではないかもしれないのだ。
睡眠を改善する3つのポイント
「SLEEP」では、睡眠改善のコツが21のポイントに分けて紹介されていた。それぞれ大きく分けると、以下の3つのポイントになる↓
・ホルモンや栄養素などの身体面
・寝室などの環境面
・寝具などのグッズ面
睡眠に関するメソッドをほぼ押さえていて、睡眠に関する本はこれ1冊あれば十分という内容だ。だが1から10までを網羅しているだけに、1つ1つの項目は基本的なことに終始していた。
おそらく独自に睡眠に関することを調べているなら、ほぼ知っている事ばかりだ。目新しい情報を期待している人は注意したい。
しかし逆に言うと、睡眠改善の近道はそういった基本の対策を地道に続けることなんだとも思う。「これ1つで睡眠が変わる!」というような、魔法のアイテムや裏技など無いのだ。
「SLEEP」に書いてあるなかで、やる気さえあればすぐ出来そうなことを挙げてみる↓
1.朝日(午前6時~8時まで)を浴びる
2.午前中に運動する
3.午後10時~2時の間に眠る
4.栄養(脂質・糖質・タンパク質・ビタミン・ミネラル)をバランスよく摂る
5.脱カフェイン、脱飲酒
6.ゆったりしたパジャマで眠る
7.部屋を真っ暗にして眠る
8.深呼吸の習慣を身につける
9.睡眠に効くツボを押す
10.夜のブルーライトを遮断する
11.寝る前(90分前まで)にはスマホの電源を切る
朝日を浴びて運動する効果は、このブログでもちょこちょこ書いてきた。確かに朝日を浴びながら散歩すると気分がシャッキリして、その後の作業がはかどる。夜も自然と眠くなりやすい。
早起きして近所を散歩するのが、身体を動かしつつ朝日も浴びられていい。休日だけでも早起きして散歩をやってみてほしい。
眠る時間は午前2時までと本には書いてあるが、個人的には0時までに寝るのが理想かと思う。やってみると分かるが、毎日2時寝では睡眠不足になりやすい。
ちなみに私は夜の9時台に寝ると調子がいい。今ならちょうど5時台に起きられて、朝の散歩もしやすい。たまに11時過ぎになったりすると、ちょっと辛い。
食生活の改善も、睡眠改善に役立つという。とはいえやることはシンプルで、栄養をしっかり摂ろうということだ。日本人ならば、米・肉・魚・野菜をまんべんなく食べればそれで良さそうだ。
私が実践中の食生活はこちら⇒食費の節約と栄養バランスを両立する方法。貧乏一人暮らしは健康が命です。
カフェインや飲酒も、寝ることを考えるとあまりお勧めできない。本によれば、カフェインは午後2時までが限界だという。アルコールも「寝る数時間前にはアルコールが身体から抜けるように」という、ずいぶん難度の高いことが書いてあった。
酒もコーヒーもタバコもやらない人間からすると、これを機に禁酒・禁カフェインするのが手っ取り早いんじゃないかと思う。節約もできて一石二鳥だ。
睡眠環境に関しては、パジャマを変えることと部屋を暗くすることが簡単そうだ。パジャマは身体を締め付けないものなら何でもよく、部屋も遮光カーテンなどで光をシャットアウトすればいい。
カーテンが無いときはアイマスクもおすすめ。詳しくはこちら⇒つけ心地が最高にフッカフカ。睡眠不足におすすめのアイマスク
エクササイズ的なものでは、ツボ押し、深呼吸が挙げられていた。どちらも手軽にできるが、つい忘れてしまう。続けようと意気込むよりは、気がついたときにチョコチョコやるのがいいのかもしれない。
スマホとの付き合い方を変えることも、本の中ではしっかり書かれていた。これは個人によると思うが、スマホゲーム中毒の私には難しかった。寝る前はもっぱらスマホゲームの時間なのだ。
ただツールでブルーライトをシャットアウトはできる。パソコンもスマホのディスプレイも、ブルーの光だけゼロにしている。そのおかげか、長時間パソコン作業していても目が疲れなくなった。
本はこちらから↓
半分くらいは睡眠の理論
「SLEEP」は睡眠改善のノウハウ本だが、半分くらいは睡眠にまつわる理論の説明で占められている。まず説明からというのは、ノウハウ本ではおなじみだから自然なことかもしれない。
もちろん理論も大事なのだが、こちらが知りたいのは睡眠を改善する具体的なやり方だ。どうすれば改善メソッドを無理せず続けられるか、メソッドを実践したときの体験談なども書いてあれば良かったのになと思う。
数々のノウハウ本を読んできて実感しているのは、「本に書いてあることを実際にやらなければ意味がない」ということだ。どんな立派な理論でも行動に移さなきゃ何も変わらないのだ。ノウハウ本を読んだだけで終わる人が多いのも、実践に関する情報が欠けているからじゃないかと思う。
人によっては合わないかも
また、読む人によっては合わないこともあるかと思う。本の中では「深夜勤務を止めよう」と書いてあったが、職業柄「夜勤は必須」の人もいることだろう。
ショーンさんは「夜勤が必要な仕事なら転職しよう」というニュアンスのことまで書いていたが、そんな簡単に仕事を変えられない人もいるはずだ。これを言われては身も蓋もない。
もしかしたら、夜勤の方が身体に合っているという人もいるかもしれない。「朝型の方がパフォーマンスが高い」とも書いてあったが、これは本当にそうか。
生まれつき夜型の人も、なかにはいるらしい。詳しくはこちら⇒夜型から朝型に変えたい……。元夜更かし人間の私が教えるコツ
要はしっかり眠れさえすれば、朝型でも夜型でもいいのだ。朝起きられない人が無理にメソッドを実践しても、あまり効果はないかもしれない。
睡眠に関する本なら、「SLEEP」を読めばバッチリだ。色々試してもダメだったという人は、本に書いてあることを実践してみてほしい。その翌日から、早速変わるかもしれない。