救急車をタクシー代わりにするヤツは、一回痛い目をみればいいよ。
何かと忙しくなる年末は、思わぬ事故や急病などのトラブルが増える。そんなとき、救急車を呼ぶかどうかの事態になることもあるかもしれない。
本当にマズそうなら、呼ぶのも分かる。が、世の中、救急車をタクシー代わりに気軽に呼ぶ輩もたくさんいる。
ただでさえトラブルが増える年末、そういうヤツ等のせいで急病人が救急車を使えなければ困る。一度そういう人間は、痛い目をみないと気が済まないんだろうか。
救急車の出動の半数は……
最近のデータによると、救急車の出動回数は約600万件。20年前と比べると、倍近く増えている。
しかしそれだけ重症のケガ人や病人が増えたのかといえば、そういうワケでもない。実際に救急車で運ばれた人のうち半分は、別に入院しなくてもいいくらいの症状だったからだ。
症状別だとこんな感じ↓
重症…8.5%
中傷…40.5%
軽症…49.4%
さらに詳しいグラフだとこんな感じ↓
入院しなくてもいい症状で救急車を呼ぶのも問題だが、なかには救急車に乗りすらしないケースもある。救急車で運ばれなかった人の人数は、なんと57万人にもなるのだ。約1割が、ほぼムダな出動だったことになる
救急車が呼ばれた回数と、救急車で運ばれた人の人数はこちら↓
57万回もムダに呼ばれる裏で、実際に救急車が間に合わず亡くなる人がいる。もしこれが自分や自分の家族、親しい人だったら、恨んでも恨みきれない。
独り身の自分も他人事じゃない
しかし日本の人口は、20年前と比べてもほぼ横ばいだ。なのに、なんで救急車の出動回数だけがこんなに多くなったのか。
これにはやはり、高齢化が深く関わっているようだ。救急車で運ばれた人を年齢別にすると、こうなる↓
未成年…8.2%
成人…34.9%
高齢者…56.7%
グラフだとこんな感じ↓
なんと18歳以上の人たちが9割を占めている。そのうち半数以上はお年寄りなのだが、それより下の年代でも3割を超えるというのも多い気がする。これも少子高齢化のせいか。
救急車を呼んだ理由で一番多いのが「急病」で63.6%。さらに救急車を呼んだ場所で一番多いのが、「自宅の居間」で45.1%になる。ここから考えると、ちょっと具合が悪くなったから救急車を呼びましたという人が実に多いということか。
私も一人暮らしの身だから、急に具合が悪くなったとき不安なのは分かる。この間も急なお腹の激痛に襲われて、一晩眠れなかったことがある。
幸いにして1日で収まったが、そのときは病院に行こうかどうか本気で迷った。もし腹痛がずっと続いたら、救急車を呼んでしまったかもしれない。
歳を取ればなおさら、動くのが大変になるし病気がちにもなるだろう。救急車にムダ足をふませてしまう問題は、独身女に取って他人事じゃなかった。
悪質なケースは罰金でいいと思う
他人事じゃないだけに、よけいに救急車をムダに呼ぶ人間のことは無視できない。なかにはタクシー感覚で呼ぶ奴もいるからどうかと思う。
地元の広報誌によると、実際にこんな通報があったようだ↓
・入院する予定だから連れてって
・病院の待ち時間がヤダから連れてって
・ヘルパーが来ないから代わりに来て
・腰痛で動けないと言いつつ、行ったら玄関先にキャリーバッグでスタンバイ
・子供の具合が悪いんだけど、夕飯の準備で忙しいから連れてって
・二日酔いが辛いんだけど
高齢者のタクシー感覚が、特にピックアップされている印象だ。しかし一部、非常識な大人の通報もあったりする。こういう人たちは、救急車を自分の足としか考えていないのか。
ちなみに救急車は原則、要請されたら出動させるのが義務だ。よほど関係ない内容でない限り、通報があれば万が一を考えて出向く。通報した人がお年寄りとなれば、なおさらだろうか。
こういうヤツが増えたせいで、救急車を有料化するかどうかという話にまでなっている。救急車を動かすにもお金がかかるから、これも仕方がない。有料化というだけで、タクシー感覚の人間は全滅するに違いない。
しかしそれよりも前の段階で、結果的に大したことなかったのに救急車を呼んだ場合にはお金を取ればいいと思う。悪質なケースは、罰金ということで多めに取ってもいいんじゃなかろうか。救急車でタクシー代をケチろうとする奴にはいい授業料だ。
救急車を呼ばすに済んだケースでも、何度も呼ぶ常習犯は罰金を取ることはできないのか。オペレターの人数が限られるなか、くだらない通報で時間を取られるのもシャクだ。
救急車でもお金取られます
今は、救急車を呼んだだけではお金を取られない。が、そこから病院に行くとお金を取られる可能性があるので注意だ。
一部の大病院では、救急車で来た患者のうち「軽症」だった人からは別に追加で診療費をとるところがある。病院にもよるが、数千円単位のお金を取られる。
病院も救急はコストがかかる割にもうからないので、なるべく受けたくないものだ。さらに軽症の人が増えたとなると、お金を取りたくなる気持ちも分からなくはない。
タダだと思って救急車を使っても、病院側で追加料金を取られるかもしれない。下手をするとタクシーよりも高く付くかもしれないので、そこだけは気を付けておいた方がいいだろう。
救急車を呼ぶか迷ったら
もし真面目に「救急車を呼ぶべき?」と迷ったら、まず相談センターに電話をするのがいい。電話番号「#7119」で、救急相談センターにつながる。
救急相談センターでは、
・症状から緊急かどうかチェック
・救急車を呼ぶかチェック
・病院に行くべきかアドバイス
などの相談を受け付けてくれる。
急な発熱だったり腹痛だったり、ヤバそうだけど病院に行った方がいいのか迷うときも多い。私も腹痛が続いたら、まずこういうところに相談すればよさそうだ。
救急車をタクシー代わりに呼ぶのは、迷惑なだけでなく危険だ。自分が呼んだせいで、本当に必要な人の救助が間に合わなかったら責任を取れない。
タクシー代をケチろうと考える前に、本当に困っている人のことも考えたいものだ。