一人暮らし女を襲った恐怖体験。独身女性は油断禁物だと知った一夜。
今回は、引越しから1週間後のおひとりさまの身に起こった恐怖体験をお話します。この出来ごとで私は、「女性の一人暮らしは防犯が命」ということを学びました。
一人暮らし歴が長くても短くても、油断は禁物です。この世の中「私だけは大丈夫」ということは絶対にあり得ません。
引越し1週間後、突然の来訪客
引越し後1週間、ようやく新しい暮らしにも慣れてきた頃。私はその日の夕食を終え、一人キッチンで食器を洗っていました。
そして、時刻は忘れもしない20:45。突然、
「ガチャガチャッガチャガチャガチャガチャッガチャガチャ」
その音にギョッとして、食器洗いの手を止めました。一瞬何事かと思いましたが、すぐに音の出どころが「玄関ドア」であると分かりました。
「誰かがドアを開けようとしている」
そう直感しました。見も知らぬ何者かが、玄関ドア1枚隔てたすぐそこにいる、と。
警察に通報せねば
私はとっさに「警察だ」と思いました。ドアガチャ音が部屋中に響き渡るなか、「119だっけ、110だっけ?」とパニクる頭で通報を入れました。
「事件ですか、事故ですか?」
電話に出たオペレーターに「誰かがドアを開けようとしているんですが……」と伝えました。部屋に自分の声が反響し、ドア越しに声が聞こえやしないかと肝が冷えっぱなしでした。
「その人物は見えますか?」
私は「直接は見てない」と答えました。ガチャガチャ動くドアノブを、実際にこの目で見るのが怖かったからです。ましてや覗き穴で相手を確認など、考えられませんでした。
そして住所・氏名を伝えると、電話は速効切れました。ドアガチャの恐怖におののいていた私は、「えっちょっと待ってよっ」という思いで再度110番。再び同じオペレーターが出ました。
「怖いので早く来てください」と訴えると「10分程度かかるのでお待ち下さい」とだけ言って切れる電話。「何度も言われずとも分かっとる」という、「やれやれ感」が良く伝わってきました。
警察にとっては日常茶飯事でも、こちらにとっては人生初の不審事件。「大丈夫ですよ」の一言くらいは期待していたのですが、日本の警察はそこまでヒマではないようでした。
電話が切れた後も、なおもドアガチャは続きました。たまに、
「ドンッドンッ」「ピンポーンピンポーンピンポーン」
など、拳でドアを叩く音とインターホンが重なります。私は、キッチンの奥でひらすら警察が来るのを待っていました。
その数分後、ドアガチャはようやく静かに。それでも玄関まで行って、外の様子を伺うなど恐ろしくてできません。そのまま縮こまっていました。
10分後、ようやく警察が到着
さらに数分後、「ピンポーン」という音。インターホン越しに出ると、ようやく警察が着てくれました。
ドアの前にいたのは、2人の男性警察官。さらに数人の警官が、廊下中を見回りしていました。
私は今までの一部始終を事細かに話しました。途中「誰か知り合いの可能性は?」などと聞かれましたが、「絶対にそれはない」と答えました。
夜も遅い、会う約束もしていない、いきなりドアガチャ。家族や友人が、こんな不審なマネをするワケがありません。事務的な質問だったと今なら思えますが、当時は「そんな呑気な事態じゃない」と思っていました。
警官は「今は不審者は見えない」「これから近所をパトロールする」と説明。私の氏名・連絡先をメモすると、引き上げていきました。
その夜、私はカーテンをきっちりとしめ、豆電球を付けて眠りました。
(が、そのカーテンは断捨離してしまいました。詳しくはこちら⇒勢いだけでカーテンを断捨離してしまった枯れ女が実感する、メリットとデメリット)
その後も、1週間は恐怖が抜けきらず。スマホの通知音にビクッと驚き、外に音が漏れないか心配しながらシャワーを使う毎日でした。
カギをかけていて良かった
けれど、当時はドアガチャだけで済んで本当に良かったと思います。このときほど、「玄関のカギをすぐ閉めるクセを付けておいて良かった」と感じたことはありません。
いくら頑丈なドアでも、カギをかけ忘れればただの鉄の板。結局、最後の最後に頼りになるのは「自分の防犯意識なのだ」とつくづく思い知りました。
女性の一人暮らしでは、ドアのカギとチェーンをかけるのは絶対です。カ外に出るときはもちろん、部屋にいるときもカギはかけっぱなします。
特に外から帰ってきたら、速効でカギをかけることをおすすめします。靴を脱いだりバッグを置くわずかな時間でも、不審者が部屋に入るには十分です。
私もドアガチャ事件以来、よりいっそうカギには警戒するようになりました。外から帰ったらカギとドアロックを一番にかけ、その上で指差し確認をしています。
直ぐに警察を呼んでも良いのか?
警察としては「ドアガチャくらいで呼ぶな」と内心思っているかもしれません。確かに、もっと重大な事件がその間に起こる可能性もあります。
しかし恐怖を感じたのなら、警察は呼んでも良いのではと私は思います。万が一悪質なストーカーに狙われでもして、「何かあってから」では遅いです。
「すぐ警察を呼ぶ奴が近所にいる」と思わせておけば、おかしなマネをする人間も減るんじゃないでしょうか。日頃から警察と仲良く(?)しておいて、損はないはずです。
私の心配をよそに、その後は不審なことは全く起こらず。不審な出来事に見舞われたのは、後にも先にもこのときだけです。おそらくドアガチャは、近隣住人の勘違いだったんだろうと思っています。
それでも、たまにセールスや勧誘などは来ることも。そういう輩は居留守か、インターホン越しに話して帰ってもらいます。
もしお酒などを飲んで帰ってきたら、部屋番号や階数が合っているかチェックをおすすめします。ドアガチャは怖いし警察沙汰になりかねないし、お互いに良いことはありません。