青色申告の帳簿付けについて、税務署の記帳説明会で話を聞いてみた
今回は、税務署で開かれた青色申告の記帳説明会に行ってきた話です。記帳の具体的な方法はあまり聞けなかったのですが、参考になる話も色々ありました。
記帳説明会は、誰でも無料で参加できます。帳簿付けのことで不安があるならば、行って損はありません。
青色申告会での無料講習もあり
記帳説明会のお知らせは、まだ青色申告を始めて間もない人向けに送られます。私も今年の3月に個人事業主と青色申告の届け出をしたばかりなので、対象になったようです。
まだ寒い中、税務署まで出向いたのは良い思い出です⇒節約の肝、税金対策。期限ギリギリに慌てて個人事業主開業届と青色申告の申請した話
説明会では資料ももらえますが、あまり突っ込んだ内容は書いてありません。むしろメインは、青色申告会の無料講習のお誘いの方かと思いました。
説明が終わった後、希望する人は無料講習の申し込み書を出すことができます。紙の帳簿かPCソフトの帳簿か、お好みで選べます。
講習自体が無料なのはありがたいのですが、パソコンの場合使うソフトがネックになります。そのソフトをずっと使うなら、いずれは自腹で買わねばならないからです。
今はネットのクラウドサービスなども充実しているので、ネットでライター業の私にはそちらの方が便利な気がします。魅力的な講習でしたが、私は今回見送ることにしました。
事業主貸・事業主借
ただ、収穫がゼロだったかというとそうでもありません。「こんなことができるのか!」と感心したのが、「事業主貸」「事業主借」の2つです。
この2つは、プライベートとビジネスのお金を立て分けるときに便利な項目です。特に個人事業主の場合、生活費と仕事のお金がごっちゃになることが多いです。
私も自宅で仕事をしているので、その辺りがあいまいです。家賃やら電気代やらは、どういう処理にするのか悩んでしまいます。
そういうとき便利なのが、「事業主貸」の項目です。「仕事用のお金を生活費に充てた」という場合は、この項目が使えます。
逆に家賃やら電気代やらは、「個人のお金を仕事用に使っている」ということで「事業主借」の項目を使えます。
ネットで仕事をする身だと、仕事と個人のお金を分けるのが難しい場合があります。そんなときは、この2つの項目を駆使すれば帳簿付けが簡単になると分かりました。
普通の人が脱税に走る
帳簿付けの説明以上に「参考になった」と思うのが、講師の方がしみじみ言っていた「普通の人が脱税に走る」という言葉です。
脱税する人の中には、悪い人も大勢いる。けれど大半は、「この人が脱税を?」という人ばかりなのだと言っていました。
最初は、50万円の売上を税務署が見逃したことがきっかけ。そこからどんどん欲が出て、最終的には数億もの脱税に走った人もいたということでした。
その人は逮捕された後、「なぜ税務署はもっと早く気付いてくれなかったんだ」と警察に話していたそうです。誰かが言わないかぎり、自分の意思で止めるというのは難しいのだと思います。
こういった脱税をしないためにも、日頃から帳簿付けを正しくしておくことが大事です。帳簿がしっかりしていれば、うっかり見逃す危険性も減らせます。
万が一見逃したとしても、帳簿と計算が合わないならすぐに気付けます。「間違ったときは正せば良いんです」という言葉が、深く心に染みました。
私も帳簿など一切つけていませんが、今度からはもっと真面目に考えようと思います。
講師へ疑問をぶつけるチャンス
また、記帳説明会では専門家に直接質問できるというチャンスがあります。私もせっかくなので、講師の方に話を聞いてみました。
売上が少ないうちは、簡易な帳簿付けから
私が不安に思うのは、複式簿記の複雑さです。その辺りのことを聞いてみたら、「まずは簡易な帳簿から始めては?」というアドバイスをもらいました。
「まだ事業も小さいし、収入も大きいわけではない。ならば記帳も簡単な方が、負担も小さいのでは?」とのこと。確かに月収数万円の私に、本格的な帳簿は早い気もしました。
一応家計簿を付けたり領収書は取ってあるので、それを取っかかりに帳簿を作れば良いのだと思います。まずは、ネットの無料サービスからでも始めてみようかと検討中です。
帳簿の説明会というと堅苦しそうですが、行ってみると面白い話を色々聞くことができます。帳簿付けの知識ゼロという人は、一度行って話を聞いてみてはどうでしょうか。