餃子を作ろうとしたら、まれに見る謎のおやきが爆誕。~実録・一人暮らしの節約料理(7)~

2016年3月23日

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一人暮らし料理、相も変わらず試行錯誤の途中です。今回は、餃子にチャレンジしたら「謎のおやき」が爆誕した話です。

「こんな混沌とした料理は、二度と作りたくない」と思わされた一品。その一部始終をお話します。

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最初は餃子のつもりだった……

最初は、餃子を作って食べるつもりでした。ちょうど薄力粉もあるし、自分で皮を作って食べてみようと思い立ったのです。

「粉さえあれば、皮は簡単に作れる」。料理初心者の何の根拠もない自信を元に、私の心は餃子を作る気でいっぱいとなりました。

材料

こちらが、その料理で使った材料です。

・にんじん…半分

・玉ねぎ…半分

・豚ひき肉…150g

・薄力粉…コップ1杯

・水…適量

・卵…1個

・ごま油…適量

・しょうゆ…適量

これで本当に、餃子ができるのか。具の材料からして、少し妙です。

まだ正確な計りを使っておらず、粉は完全に目分量。どれだけの量でどれだけの皮が作れるかなど、全く頭にはありませんでした。これでなぜ「美味しい餃子を作れる」と思ったのか、今でも謎です。

調理開始

凝ったものを作るということで、ちょっと早めに調理を始めました。結局、その努力は無駄に終わりましたが……。

薄力粉で皮を作るが……

まず、薄力粉と水を混ぜて皮を作ります。普通は粉と水の量を正確に計って、ちゃんとした固さになるよう調節するはずです。

けれど私は目分量。適当に粉と水を入れたために、生地がベタついてうまくまとまってくれません。薄力粉をチョコチョコ足すも、効果はほとんどありませんでした。

生地の途中は、こんな感じです。

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調べたところによると、正確には以下の量でやるのが良いようです。

・薄力粉…200g

・水…100ml

私の場合、全く無視して水を多めに入れてしまいました。このときほど、「計るものがあれば……!」と後悔したことはありません。

生地のこねを適当に切り上げて、次は皮作りに。生地を2等分して、それぞれを棒状に伸ばします。棒状の生地を6等分にカットして、それぞれ1つ分としました。

とにかく生地がベタベタで、棒状にするにもカットするにもいちいち生地が手に引っ付きます。一応打ち粉もやってはいたのですが、ベタベタ生地の前にはなんの効力もありませんでした。

あまりにベタベタで、薄く伸ばすのもひと苦労です。伸ばした端から生地が破れ、伸ばした生地を剥がそうとしてまた破れ、その度に生地をまとめ直して再びカットしていました。

完全に「破れ→まとめ直し」無限ループにハマり、気付けば90分が経過。生地作りが、全く終わりませんでした。

皮作りだけで、精神力の95%を消耗。これ以上はキリがないと、何とか12枚の皮を打ち粉で仕上げて次に移りました。

↓12枚の皮がこちら

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野菜が多すぎる

次は、予めカットしておいた野菜と冷凍の豚ひき肉を混ぜて、具を作ります。けれど……。

野菜が、明らかに多すぎる。人参と玉ねぎの大群に、ひき肉の存在はいとも簡単になき者とされました。

この前に作ったハンバーグ(?)も、野菜が多くて大変なことに……⇒実録・一人暮らしの料理。自炊史上、最高にミステリーなハンバーグ(?)の話

前回の反省を活かして野菜の量は減らしたつもりだったのに、結局この有り様。野菜は、予想以上に具をかさ増しするものだと心に刻みつけました。

卵と薄力粉で何とかまとめてみる

野菜が多すぎて、具がきちんとまとまりません。そこで私は、ハンバーグのタネよろしく卵と薄力粉で何とかまとめてみようとしました。

この時点で、餃子作りからは80%くらい脱線しています。けれども私は、何とか皮に包める具に仕上げようと必死でこね続けました。

皮が足りない

30分ほどこね続け、具っぽくなってきたところで先ほどの皮に具を包みます。けれど、具の量を皮を見比べて私は自分の過ちに気付きました。

どう考えても、具が多い。私が作った12枚の皮では、とうてい包みきれる量ではありませんでした。

それでも諦めの悪い私は、餃子の体にしようと具を皮に包んでみました。が、時間が経った皮がまたベタベタしてきて、ほかの皮とくっついてしまっていました。

慎重に引き剥がして包んではみても、具が多すぎて皮からはみ出ます。包んだ見た目は、具のボコボコが全面に出ている化け物餃子でした。

オマケに生地自体も薄くて、ところどころ破れがち。果たしてこれを、フライパンで上手く焼けるのかという不安も出てきました。

餃子、断念

そして私は、大きな決断を下しました。もう餃子を作るのは断念して、一から別の料理を作ろうと考えたのです。どうせ餃子の具も余ってしまうし、もう無理だと思ってしまいました。

そして疲れきっていた私は、皮や具材を全て一緒くたにボールに放り込みました。餃子の線は、これで完全に消えました。

私は再び、生地と具材を念入りに混ぜあわせ始めました。

絶望しか感じない料理

半ばやけくそ気味に、ボールの中の材料をこね続ける私。何か料理を作っていて、これほどに絶望を感じたことは今までにありません。一応しょうゆで味付けするものの、なんの慰めにもなりませんでした。

「一体私は何をやっているのか?この不毛な作業に、出口はあるのか?果たして、目の前のものはちゃんと食べ物に仕上がるのか?」。考えるほどに、心は重く沈んでいきました。

とにかく焼くしかない

「とにかく、火を通せば食べられるはずだ」。大量の薄力粉と具材を混ぜあわせたものを適当に分け、平たく伸ばしてフライパンに敷き詰めました。

それでも量が多くて、できあがったタネは大きいサイズが8枚分。これだけで、3~4食はまかなえそうなボリュームがありました。

1枚1枚も厚いので、火が通るにも時間がかかる。タネをひっくり返したりフタをしたりと何度も繰り返して、じっくり中まで焼いていきました。

それぞれ表面がこんがりとしてきたところで、お皿に上げます。これを8枚分、実に時間がかかりました。

そして調理にかかった時間、今までで最長の2時間30分。私の長きに渡る激闘は、こうして幕を閉じました。

実食

そして、できあがったものがこちらです。

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誰が見ても、これを「元・餃子」とは思わないでしょう。なぜ餃子を作ろうとしてこんな仕上がりになるのか、自分でも分かりません。

おやき?パン?

「ちゃんと火は通っているか、美味しくなっているか?」。不安だらけの中、いざ実食。

パンケーキ?おやき?

薄力粉の生地が前面に押し出された、パンケーキのような仕上がりとなっていました。中の具を考えると、「おやき」と呼べなくもないような気がします。

よく火は通したつもりなのに、中の方は少しネチョッとした部分も。ドロドロとまではいきませんが、生地が厚すぎたようです。

にんじんと玉ねぎが自己アピールしすぎて、やはり「肉」は感じられません。どこをかじっても、出てくるのは野菜のみでした。

1食分を食べても、まだ相当の量が残りました。

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これだけあれば、夕飯はしばらく持ちそうです。いっそパンケーキなら、朝ごはんにしても良さそうな気もしました。

このおやきを食べ終わるのに、占めて3日かかりました。その間私は、ご飯とおやきという炭水化物100%の食生活。こんな料理を作っている本人は大真面目というところが、また哀しいところです。

けれど、こんな大失敗が許されるのが、一人暮らしの料理の良いところです。いつしか普通に美味しい夕飯を食べられるその日まで、私の挑戦は果てしなく続きます。

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Posted by yayoi