30代枯れ女、働く女のあり方をシン・ゴジラの女性キャストから考える。
枯れ女として細々ライター活動に勤しむ裏で、話題のシン・ゴジラを鑑賞してきました。
登場人物のほとんどは男性ですが、女性キャストの活躍もしっかり光っています。絶望的な戦力差で巨大生物に立ち向かうドラマの中で、働く女のあり方についても色々と考えさせられました。
ピンチのときに男も女もない
シン・ゴジラは、国が大ピンチに立ち向かうときの人間の反応などがリアルでした。その中でも、一丸となって巨大生物に対抗しようという理想の姿もあったと思います。
強く感じたのは、「日本が本当に無くなるかもしれないという瀬戸際では、男も女もない」ということです。
石原さとみさん演じるアメリカ大使のカヨコしかり、市川実日子さん演じるヒロミしかり、おそらく男性でも違和感なく話は進みます。それくらい「女は黙ってろ」的なものが一切ない作品です。
余貴美子さんの花森防衛大臣にしても、クセモノが揃った中でとりわけ異彩を放っていたように思います。大杉漣さん演じる大河総理に決断を促す場面は、鬼気迫るものがありました。
シン・ゴジラは人間ドラマをほぼカットしているので、結果的に男も女も関係ないストーリーに仕上がったというのはあります。けれど極限状況の現場では、これがあるべき姿ではないかとも思いました。
実際の日本で起こったらどうなるか?
しかし今の日本で、仮にゴジラのような巨大生物が出現したらどうなるのか?おそらく、こんな風に一丸となって国の危機に立ち向かうことはできないのではと思います。
避難で女性や子供を優先すれば「差別だ」と騒ぐ輩も出てくるだろうし、それこそ女性が気の利いた進言をしても「女は云々」みたいな扱いをされる可能性は高いのではないでしょうか。
女性というだけでなく、年齢なども大きなネックになると思います。どんな状況でも女性・若手への差別抜きには考えられないのが、この国の哀しい現実ではないかとも感じてしまいます。
とにかく最善を尽くすことだと思う
働く女性に話を戻すと、とにかくシンプルに「最善を尽くす」ことだという印象がありました。シン・ゴジラの登場人物がやっていたのは、自分にできるベストの仕事をやり抜いていただけなのだと思います。
自分の全力を尽くすことに限っては、男女の違いはありません。できること、想像できることに限界はあれど、それでもベストは尽くせるはずです。
ただ、ベストを尽くさせまいとする動きも非常に多いです。外部からの横槍というのもありますが、大体は己の中の要因が大きいように思います。
自分に言い訳をしてしまったり、何もかもが嫌になったり、仕事を投げ出したくなることは1日のうちに何度もやってきます。
しかし厄介なことに、そこで逃げるとまた同じことで躓くときがやってきます。かくいう私も何度も「逃げ」の一手を打ってきましたが、やはりいつかは袋小路に行き着きます。
会社勤めだろうがフリーだろうが、ベストを尽くし抜けないと結局はそこで行き止まりです。もうダメだと思ったところから、いかに一歩を踏み出すかが大事なのだと痛感しています。
女性初の都知事への取材も
シン・ゴジラでは、先日女性初の東京都知事となった小池百合子氏への取材もしているということです。どんな取材内容かは分かりませんが、確かに作品自体はとてもリアリティがありました。
一部では、花森防衛大臣のモデルは小池氏ではないかとも言われています。ことの真意はさておき、女性政治家として小池氏はとても頭のキレる優秀な人であることに間違いはないと思います。
今後の東京がどうなるか分かりませんが、小池氏が相当の熱意を持っていることは伺えます。女性初の都知事が、女性が活躍する社会の象徴となればという期待はあります。
シン・ゴジラは賛否両論ありますが、とてもテンポが良く最後まで退屈しない作品です。余計な人間ドラマはいらないという人には、特におすすめできます。
登場する女性人物も、良い意味で女らしさというものがありません。男性陣と肩を並べて活躍する女性を見たい方は、シン・ゴジラを観てはどうでしょうか。