2018年、日本はどうなるの?専門家の話を聞いてきた
楽天証券の新春講演会に参加してきた。貴重なお話をいろいろと聞ける、よいイベントだったと思う。
2018年から、日本はどうなるのか?そしてそれは、私たちの暮らしどう影響するのか?感想を交えつつ紹介したい。
今回登壇した方々
楽天の新春講演会に興味を持ったのは、やはり一度話を聞いてみたいと思うような豪華ゲストが勢ぞろいだったからだ。
私が話を聞てみたかった登壇者はこちら↓
・竹中平蔵教授
・田原総一朗氏
元大臣と、日本一有名であろうジャーナリストの話を聞ける機会などそうそうあるまい。しかもタダだ。
投資に限らず、今後の社会や経済がどうなっていくか聞き入ってしまった。投資に興味のない人間でも、聞く価値はあると思う。
もちろんその他の登壇者の方々のお話も、興味深かった。お話を聞いたのはこちら↓
・中野晴啓氏
・渋澤健氏
・藤野英人氏
・堀古英司氏
主に長期投資の話と、世界経済を引っ張るであろうアメリカについてのお話を聞くことができた。投資初心者には目からウロコの話ばかりで、ついていくのが大変であった。
これからはAIの時代だ
やはり講演を通して共通していたのは、これからはAIの時代ということだ。
去年はAIが囲碁名人に勝つなど、その進化はめざましい。さらにAIはどんどん賢くなって、世の中を根っこから変えてしまうだろう。
まず、仕事がなくなる
これについて田原氏は、2040~50年には、今ある仕事の90%は無くなるだろうと言っていた。あと20~30年ちょっとだ。
私と同じくらいの30代なら、アラフィフ、アラ還になっているだろう。その頃も今の仕事を続けていたら、リストラの可能性が大きいということか。
ちなみに今現在でヤバくなっているのは、
・銀行
・自動車運転
などだ。
銀行の仕事は自動化が進み、人がいらなくなっている。日本のメガバンクが大量のリストラを発表したというニュースを、聞いたことがあるんじゃなかあろうか。
自動車についても、自動運転技術のテストが進んでいる。自動運転が当たり前のものになるのは、将来確実だ。
私も文章を書く仕事をしているが、これもどうなるか分からない。AIの書いた小説が一次選考を突破するなど、スキルは確実に上がっているからだ。
しかし私としては逆に、AIに働いてもらって楽できないものかと思っている。もし文章を書くAIができたら、私の文章データを学習させてゴーストライターをやってもらうなんてこともできそうだ。
その間私は、インプットに時間を使う。そのインプットをさらにAIに学ばせて、どんどん進化などという時代が来るかもしれない。
第四次産業革命
竹中教授はAIを中心とした変化の流れを、第四次産業革命だと言っていた。第四次産業革命のカギを握るのがこちら↓
・AI
・ロボティクス
・ビッグデータ
・IoT(モノのインターネット化)
・シェアリングエコノミー
モノのインターネット化で、あらゆるものが遠隔操作できるようになる。家電1つ取っても、快適に動かせるようAIが組み込まれるかもしれない。
AIが賢くなると、皆で1つのものを共有するシェアリングエコノミーも活発になる。自動運転が実用化したら、自動車を持つ人はますます少なくなるはずだ。
ビッグデータをどうする?
しかし竹中教授が一番気にしていたのは、ビッグデータのことだった。ビッグデータは、AIの学習には欠かせない大事なものだからだ。
ビッグデータは、とても大きくて複雑な情報の固まりだ。人間が使いこなすのはほぼ無理だが、AIならばそれができる。
たとえば道路の渋滞情報をデータ化して学ばせれば、渋滞予測をしたり効率のいい経路を考えられる。顧客の買う日用品リストがあれば、ストックが切れることに自動でお買上げなんてサービスもできる。
だが哀しいことに、日本はこうした新しいものが浸透するまでに時間がかかる国だという。マイナンバー1つとっても全く広まらないところを見ると、確かにうなずける。
AIの第一人者である松尾准教授も、「日本はAIでは3週遅れだ」と言っていたという。このままでは、AI時代に取り残される可能性大だ。
変化にどう対応していくか?
ならばこの変化に、個人はどう対応していけばいいのか?竹中教授が言っていたものの1つに、リカレント教育というものがあった。
リカレント教育とは生涯学習のことで、社会人になってからの学び直しを言う。これからは、働きながらでも学ぶことが当たり前になってくるのだ。
今後は政府も、学び直しの学費の半分を負担するなど、制度が本格化してくるだろう。どんな人でも、新しいことを学ぶチャンスが広がる。活用しない手はない。
今でも明治大学のリバティスクールや放送大学など、社会人向けの学びの場はある。興味があるところから調べてみてもいいと思う。
ベーシック・インカムの時代
また田原氏は、AIに取られた仕事の代わりに、AI時代に合った仕事を作り出さないといけないと言っていた。そのための準備や研究が、まさに行われているという。
さらに大量に出るであろう失業者への対策として、ベーシックインカム(BI)についても話が出てきた。
BIとは、国民全員に支給されるお金のことだ。仕事がなくても、最低限の暮らしができる夢の制度である。
BIは反対意見も多いが、AI時代、やはりそういう流れからは逃れられないのか。国は早いところ実験を始めてほしいものだ。
2018年~将来はどうなるの?
さらに講演のなかで聞いた、2018年からの未来予測も興味深かった。その一部を紹介したい↓
北朝鮮はどうなるの?
これは誰もが気になるところだろう。講演では、北朝鮮が戦争を起こす可能性は低いだろうと言っていた。戦争などやっても、誰も得しないからだ。
だが竹中教授いわく、戦争は突発的に起こるものだという。やはり可能性はゼロではないらしい。
一方の田原氏は北朝鮮について、「中国は北朝鮮の核を認めない方針らしい」と言っていた。もし北朝鮮の核を認めれば、韓国や日本まで核を持つ可能性が出てくるからだ。
もし中国が北朝鮮の核に反対とすると、アメリカや日本と協力関係ができるかもしれない。そうなると、北朝鮮はかなり追い詰められるだろうと言っていた。
トヨタが自動車メーカーじゃなくなる?
これも、田原氏の講演のなかで出てきた話題だ。トヨタは15年後には、自動車メーカーでなくなっているだろうというのだ。
自動車メーカーは今後、車の売り上げが落ちて苦しくなる。車一辺倒ではなく、車+色々なサービスで生き残っていくということか。
自動車は日本のメイン産業でもあるから、これは大きな変化だろう。工場などのあり方も、大きく変わるかもしれない。
ドルが150円!?
これは、堀古氏のアメリカ経済の講演で出てきた話題だ。なんでこうなるのかも、順を追って説明してくれた。
そのポイントはこんな感じ↓
・ドル円は、ドルが金利高・円が金利低なほど円安になる。
・アメリカは税制が大きく変わって法人税が40%から25%に下がった
・アメリカの景気はよくなり金利は上がる
・一方の日本は低金利の政策が続く
・よってドルと円の金利差が開き、それに合わせて円安の方向へ
あくまでも予測だが、今後5年くらいにはそういう流れになるんじゃないかと言っていた。
予測を鵜呑みにはできないが、少なくとも円安の方向に動くのは確実な気がする。アメリカの景気がどれだけ良くなるか、目が離せない。
新年早々、今後に関わる話を聞けたことはよかった。私もお金がないながら、学ぶところが大いにあった講演会だった。
これからの変化にどう対応するかは、やはり一人ひとりの心がけにかかっている。庶民は庶民なりに、今からできることがあるはずだ。