夏休み明けの前に言いたい。死ぬくらいならまずこれをやって
夏休み明けの9月1日は、1年で最も自殺の多い日だ。いじめを苦にした子どもたちが、学校に行く前に自ら命を断つためである。
最近はようやくその問題に世間が気付き、「学校行かなくていいよ!」などの声が聞かれるようになった。「辛いなら逃げていい」という空気が広がりつつあるのは何よりだ。
死ぬほど追い詰められているなら、これ以上耐えることは無い。いったん安全圏へ逃げて、自分の身を守ろう。
死ぬことは最善の手か?
「死ねば楽になれる」「死んでいじめた奴らに復讐する」。いじめが原因で死のうと思ったとき、こんなことが頭をよぎるかもしれない。だが本当に、自身が死ぬことでその願いは叶うんだろうか。
死ねば楽になれるか?
人は追い詰められてどうしようも無くなると、何もかも放り出したくなるときがある。死んで全てを終わりにしようと考えた経験は、誰しも持っているんじゃなかろうか。
しかし本当に、死ねば楽になれるのか?死んで全てが無に帰ればいいが、もし死後の世界があったら自殺することでなんらかの影響が出る可能性だってある。
「死後の世界」など非科学的・胡散臭いと思われそうだが、じっさい死んだ後どうなるかなど誰にも分からない。死後の世界を体験したことがないのに、「ああなる」「こうなる」とは言い切れないはずだ。
死後の世界はあるのか無いのか?これについて「人は考える葦である」で有名なパスカルは、「人は『神(死後の世界)が存在する』に賭けた方が得だ」と言っている。
これは「賭けに勝てば、そのまま無限の可能性(利益)を得られる。負けても失うものは人生という有限のものだけ」という理屈だ。逆に死後の世界がない方に賭けて負けたら、無限の可能性を失うことになる。
パスカルの理論から考えると、自殺はリスクの高い半丁バクチとも言える。この理論にも賛否両論あるのだが、「そういう可能性も考えたほうがいい」という点は説得力があると思う。
死ぬほど追い詰められた状態では、そんなことを考える余裕はないかもしれない。しかし一度知っておけば、ふとしたときに思い出すこともあるんじゃなかろうか。
死んでもいじめっ子は痛くない
死んで復讐という考え方も、ある意味で賭けだ。うまい具合に復讐できる可能性もあるが、何事もなく過ぎ去るかもしれない。
少なくともいじめる側は、いじめられた側のことなど気にかけていない。たとえ自殺という手段で訴えても、罪悪感で苦しめられる見込みは薄い。
自殺することでいじめを公(おおやけ)にしようとしても、学校や教育委員会が組織ぐるみで隠蔽してきたらどうするのか。いじめられた本人が既にいないのをいいことに、事実を捻じ曲げられる可能性はある。
もし自殺の目的が復讐なら、生きているうちにできることをやってからでも遅くない。
死ぬよりマシなこと
いじめに対抗できれば、死ぬ必要がなくなるかもしれない。とは言え相手にただやり返すのではこちらにも非が出来てしまうので、あくまでも合法的に対処することだ。
どうすれば合法的に対処できるか、以下からステップを紹介したい。
1.証拠を取っておく
まずはいじめられた証拠を集めるところから始める。
・持ち物や机への落書き
・汚されたり壊されたりした持ち物
・いやがらせの手紙
・悪口の音声
・SNS上の悪口
・身体の傷
など、いじめに関係するあらゆるものが対象だ。自分がいじめの悩みを書いた日記やLINEのやり取りも、後々の参考になる。
音声の録音は見つかったときのリスクが大きいので、慎重さが求められる。専用の隠しマイクなどを、常にポケットへ忍ばせておくのがいいだろうか。
2.地元の機関に相談
あるていどの証拠が集まったら、地元の教育委員会へ相談する。教育委員会への届け出は記録に残るので、「いじめについて相談をした」という事実を残すためだ。良識ある教育委員会ならば対応に動くはずなので、それで解決する見込みも少しある。
初期のうちなら担任教師や校長に相談でもいいのだが、自殺するくらい追い詰められているならすでにそれはやっているんじゃないかと思う。学校が動いてくれない時点で、より上の機関に届け出るのがいい。
3.警察に被害届けを出す
さらに、証拠を持って警察にも被害届けを出す。暴力を受けたなら暴行罪、持ち物を壊されたなら器物破損で相談できる。
警察が捜査に乗り出せば大事になり、学校や教育委員会もいじめを無視できなくなる。捜査の結果いじめた相手の容疑が固まれば、相手を告訴もできる。
告訴した後に相手が書類送検ともなれば、記録は経歴に一生残る。経歴に傷を付けるという点で、ちょっとした復讐になるだろうか。
4.議員に相談
さらなる圧力として、議員にいじめ相談を持ちかける。まずは地元の市議や県議のところへ行くといい。
心ある議員ならば、教育委員会や警察への働きかけてくれるはずだ。もし門前払いされても、ほかの議員が相談に乗ってくれるかもしれない。親切な議員に当たるまでには、少々根気がいる。
あまりいないとも思うが、議員を知っている人が周りにいたらその人に相談すると早い。私も知人のつてで議員につないでもらい、クレジットカードのなりすまし被害を相談したことがある。そのおかげで、なんとか警察に動いてもらうことができた。
議員に相談するときは、いじめや相談の経緯を書面などにまとめておくといい。「どういういじめがあったか」「こんなところに相談した」など、時系列順にすると分かりやすい。
5.弁護士への相談?
法テラスなどの無料法律相談を使って、弁護士に相談する方法もある。だが法テラスは地元の弁護士につないでくれるだけなので、その弁護士がいじめに詳しくないとあまり意味がない。
自力で弁護士に頼むとなると、大金がかかるので現実的ではない気がする。知り合いのツテなど、弁護士に繋がりそうなルートがあれば相談もありかと思う。
いじめで自殺とは、なんとももったいないことだ。死ぬ気があるなら、今までガマンしていたことを全部やりきってからでも遅くないんじゃなかろうか。
そのためにも、まずは逃げることだ。逃げて、やりたいことをやるためのエネルギーを蓄えてほしい。