物が少ない生活の方が良い理由。マジカルナンバー7±2の法則とは?
物が少ない方が良い理由を、脳みその視点から考えてみます。これには、「マジカルナンバー7±2の法則」というものが深く関わっています。
人間の脳は、人が考えている以上に不器用です。現代人が疲れ気味でストレスばかり感じているのは、脳を働かせすぎているからではないでしょうか?
「少ないもので暮らす」というのは、実は脳との相性も良かったのです。
人間の脳が同時に処理できるのは7つまで?
脳科学の研究では、「人間の短期記憶は7個±2が限界」という説があります。これは、アメリカの心理学者ジョージ・ミラーが発表したものです。
ミラーは、人間の脳は
・人の名前や電話番号など、日常生活に関わる情報は7つ程度までしか記憶できない
と言っています。個人差はあるものの、記憶できる容量は大体5~9個の間までなのです。
さらに最近の研究では、「人間の短期記憶は4±1まで」という説まで。厳しく見ると、人間が一度に覚えられるのはたったの3つしかないのです。
7つでも4つでも、人間が一度に処理できる情報はあまり多くないというのが現実。私は小さい頃から暗記は苦手でしたが、これは無理なからぬことだったのかもしれません。
「着る服がない」のは数が多すぎるから?
このマジカルナンバーは、日常生活の中でも応用ができます。
例えば、家にあるクローゼット。いつも「着る服がない」とは悩むことはないでしょうか?
服はたくさんあるのに、着る服だけが見つからないのはなぜか?これも、脳の短期記憶が少ないことを考えれば納得がいきます。
もし脳の記憶容量が7つまでだとしたら、7着より多い分は「ないもの」として扱われます。目の前に多くの服があっても、脳は迷ってどれを着れば良いか判断できないのです。
着る服が多いと判断に困る理由はこちらでも⇒女子のファッションを悩ませる、「着る服がない」問題が起こる理由。
かくいう私も、着る服に迷わなくなったのは服の断捨離に乗り出した後です。どんな服があるのかが覚えておけるようになってからは、パパッとコーディネートが決まるようになりました。
服を減らすときは、「マジカルナンバー」云々のことは全く意識してませんでした。が、「多いよりも少ない方が楽」というのが正直な実感です。
情報量が多すぎてストレスに?
脳が7個を超えた分を無視しようとするのは、負担をかけすぎないための工夫とも言えます。あまりに多くの情報を処理しすぎると、脳が疲れてパフォーマンスが落ちるからです。
しかし現代社会、スマホ1つで世界中の情報が手に入る時代。いつも多すぎる情報に囲まれていれば、疲れが取れないのも頷けます。
目の前に誘惑が多すぎると、集中力も落ちます。詳しくはこちら⇒勉強や仕事の途中で気が散らないための、集中力を高めるコツ
私はかなりものが少ないミニマリスト暮らしをやっていますが、ものが多かったときの「落ち着かない感覚」がなくなった気がします。何もない部屋が、妙にしっくり落ち着くのです。
ものは少ない方が向き合える
また、ものが少ないミニマリスト生活のなかで思うのは「1つ1つのものに向き合いやすくなった」ということ。どんなものを今持っているのか、ものが少ないおかげで忘れにくいです。
以前はこれだけ持っていたオタクグッズも、その中身はほとんど覚えきれていませんでした。大量のグッズはすでに断捨離済みです⇒ミニマリストを目指すオタクの断捨離。一人暮らしを機に、大量のグッズを片づけ
今は、ダンボール1~2箱に収まるくらいの量だと思います。これでもまだ多いかもしれませんが、最初のダンボール11個から考えれば激減です。
ものは減りましたが、その分1つ1つに目が行き届きやすくなりました。グッズが大量だった頃よりも、「自分なりのコレクション感」も増して満足度がアップしたように思います。
人間の短期記憶は、あまり多くの情報を処理できないようになっています。このおかげで、人間は必要な情報だけをより分けて記憶しておけるのです。
色々と溜め込みすぎても、人間の脳は実に正直です。不要だと思う物事は、本当にバンバン忘却の彼方へ追いやられます。
「ものが多い部屋にいるとなぜか疲れる」「いくら休んでもリラックスできない」というときは、ものが多すぎるのかもしれません。一度、目に入る情報量を思い切り減らしてみるのはどうでしょうか。