熱狂的なジャニーズファンと毒親の、恐るべき共通点
熱狂的なアイドルファンと毒親には、深い共通点があるように思う。お互い「自分はあんなんじゃない」と言うだろうが、よくよく観察してみると考え方や行動パターンがそっくりだ。
一体どういう点が似ているか、じっくりさぐっていこう。
自分の信じたいものしか信じない
アイドルファンのなかでも、熱狂的なジャニーズファンにはヤバいと感じる人が多い。偏見かもしれないが、現実がみえてないんじゃないかという人が目立つのだ。
たとえばちょっと前のSMAP解散騒動では、賛否両論、無数の意見がとびかった。なかでも熱狂的な一部のジャニーズオタクは、
・解散さわぎは事務所やエライ人の陰謀
・本当は5人はとても仲がいい
みたいなことを言っていた。今でもそう信じている人も多いかもしれない。SMAPを再結成してほしいという声も根強い。
しかしSMAPを止めてジャニーズ事務所を去った3人をみると、とても晴れ晴れしていて楽しそうだ。正直、SMAPにいた頃より生き生きしている。なんというか、それまで隠していた負のオーラが消えた感じだ。
そういう様子をみると、あの3人はジャニーズを辞めてよかったんだろうなと思う。あのままジャニーズにいても、幸せじゃなかったろう。
おそらく本当のSMAPファンなら、同じような意見を持つんじゃなかろうか。SMAPの解散を悲しんで再結成を望む一方、5人それぞれの意志を尊重するんじゃないか。
だが熱狂的なファンは解散は陰謀だから認められないし、5人揃ったSMAPがあるべき姿だと信じている。今の5人の様子など目に入らないのだ。
そういう人はSMAPの5人にとっていい道かどうかより、SMAPというアイドルの姿ありきで物ごとを考えているんだろう。熱心すぎるファンほど5人の心情を受け入れられないというのは、なんとも哀しいことだ。
先日の強制わいせつ事件でも、
・ハニートラップでは?
・キスくらいで騒ぎすぎ
のような意見がかなり多く見受けられた。
確かに熱心なファンなら、大ショックなのは分かる。だからといって、本人の罪まで正当化・もしくはなかったことにしようとするのはいかがなものか。
もし被害者が自分の大事な人だったら、同じような態度が取れるだろうか。想像力をもうちょっと働かせてみてほしい。
毒親は子供に理想を押し付ける
こういう現実を受け入れられない傾向は、そのまま毒親にも当てはまる。毒親が見ているのは本来の子供の姿じゃなく、自分が作り出した理想の子供なのだ。
子供が理想どおりに振る舞っていれば大丈夫だが、ちょっとでも理想からズレると大変だ。
・それはあなたらしくない
・本当のあなたはそんな子じゃない
・あなたのために言ってるんだよ
みたいな言い分で、なんとか型どおりの理想に子供を押し込めようとする。子供の現実を受け入れられなくて混乱する様子は、SMAP5人の今を受け入れられない熱狂的なファンと同じだ。
アイドルはファンが望むように振る舞うのが仕事だから、そういう堅苦しさも仕方がない部分があると思う。だが子供の人生は100%子供のものだ。親が自由に振り回していいものじゃない。
子供は親の理想を押し付けられると、自分を押し殺して窮屈な生き方しかできなくなる。その押し殺した部分が負のオーラになって、自らをむしばむのだ。
前のジャニーズを去った3人も、SMAP時代は自分を押し殺して生きてきたんだろうと思う。今はそういう重圧から解放されて何よりである。
自分の心にフタをして表面を取りつくろう
だがSMAPが解散しないでほしいとストレートに言えるのは、自分の心に正直という点ではいいのかもしれない。表面上は個人としてのアイドルを応援しつつも、心の中ではそれを認められないという方がよほど怖い。
ジャニーズアイドルの結婚報道があったときのファンの反応をみても、多くは2通りに分かれる↓
・結婚なんてゆるせない!
・私は応援するよ
問題は2つ目の、「応援するよ派」だ。もちろん本当に応援する冷静なファンの方が大多数だろうが、一部「結婚を許してやってもいい」みたいなニュアンスのファンがいるのだ。
「許してやってもいい」というファンの心理を考えるに、おそらくは
・本当は結婚なんて認めたくない
・でも大っぴらにそう言うのもはしたない
・まあこのレベルの女性なら許せるんじゃない?
・流石は私の〇〇!
みたいなルーチンが働いているんじゃなかろうか。「流石は〇〇!」というところまで持っていってようやく、結婚を認められるのだ。いわゆる「認知的不協和の解消」というやつだろうか。
認知的不協和というのは、どうにも納得いかない出来事のことだ。そういうとき人は、自分を納得させるための思考パターンを作り出すのことだ。思い込みが強い人ほど、これで自分を守っている。
また、「流石!!」という考えのウラには「そういう〇〇を好きな私」「〇〇の結婚を認めた私」という一面もあるんだろう。アイドル個人というより、結局は自分が大事なのだ。
毒親も自分が大事
毒親も毒親で、自分が子供より上に立つためにあらゆる手を使う。子供がなにか失敗しても成功しても、「こうなると思ってた」という。全て自分の思い通りに進んでると考えるのだ。
表面上はおだやかに取りつくろうのも、毒親にとっては大事なことだ。なによりも自分を守ることが大事だから、見たくない感情には完全にフタをする。
だから一見「いい人」というのは、油断できない。顔では笑っていても、中ではどんなことを考えているのか読めないからだ。
人は見たいものしか見ないし、信じたいものしか信じない。毒親と熱狂的なアイドルファンは、そういう点ではとてもよく似ている。
ただ私がここで取り上げたのは、あくまでも盲目的で熱狂的な一部のファンだ。大多数のファンはもっと冷静に、アイドルの仕事とプライベートを区別して応援しているだろう。「ジャニーズファン=現実が見えてない」ということじゃないので、ご了承いただきたい。