ド初心者が作る、鍋だけで簡単発酵なしパン(?)~一人暮らしの節約料理(37)~
パンが好きでよく食べるが、店で買うと高い。「自分で作れば安いんちゃう?」と思い、勢いで作ったときの話をしたい。
道具は鍋のみ、イーストも一切使わない究極の手抜きパン。いったいどんな代物ができあがったのか、ご覧いただこう。
手作りパン(?)の材料
私が作った手作りパンの材料がこちら↓
・強力粉…100~150g
・水…30~40ml
・重曹…小さじ1/3~1/4
・ごま油…少々
・塩…少々
・道具…鍋のみ
イースト、砂糖、バターなど、パンを作るのに必須の材料は無し。家にあって代用できそうなものを探した結果、
・イースト→重曹
・バター→ごま油
となった。「生地が膨らみそうなものと油系のものがありゃいいだろう」というアバウトな発想である。ごま油に限らず、オリーブオイルなど家にある食用油で大丈夫だ。
強力粉は、店で普通に売っているもの↓
安いところなら、1kgが180~200円で買える。パン1つで150~250円くらいかかることを考えると、手作りの方が格段に安い。
重曹は家にあるものをそのまま採用↓
食用の重曹なら、掃除と料理の両方に使える。もし工業用や掃除用の重曹だったら、食用のものを別に買おう。
まともな道具は、パンを焼くための鍋のみ。ついでにボール代わりにして、中で生地をこねるのにも使える。
材料も道具もまともに揃ってない、超質素なパン作りの開始だ。レシピだけ見ると、小麦粉を水でこねたものしかできないようにも思えるが……。
作り方
1.分量を計って鍋にIN
まずは、小麦粉と水を計る。ここは量をきっちり合わせないと、生地が上手くまとまらない。
普通にパンをつくるときは「小麦粉300g・水180g」など、あるていど多い量を使うことが多い。一人分のパンだけ作るときは、1/3の「小麦粉100g」にするとちょうどよかった。
だが水だけは、そのまま60g使うと生地がベチャベチャになってしまう。「ちょっと少なすぎないか?」くらいの、30~40mlに調節するとパンらしい生地になった。
量り取った材料は、そのつど寸胴鍋にIN↓
鍋の中でこねれば、そのまま焼けて便利。洗いものも減って楽だ。
2.パン生地をこねる
材料を全部入れたら、パン生地をこねる。最初しゃもじで混ぜ、ある程度まとまってきたら手でこねると手が汚れにくかった。
うまくまとまると、生地はこんな感じに↓
もし生地がベチャッとしていたら、小麦粉を少し足して様子を見る。鍋の底に生地が張り付かない固さになれば大丈夫だ。
バターの代わりにごま油を使ったが、パン生地に油脂は必要なものだ。「なんか生地がボソボソしてんなあというとき」は、たいていごま油を入れ忘れたときだった。
まとまった生地は2~3つに分ける↓
なるべく小分けにした方が中まで火が通りやすい。個人的には2つくらいがちょうどよかった。
3.焼く
生地ができたら、あとは焼くだけだ。表を10分焼いたら、裏返して10分焼く。
表を焼いたところ↓
さらに裏を焼くとこうなる↓
フライパンなどでパンを焼くときはキッチンペーパーを使うが、我が家にはないのでそのまま焼いた。だが生地に入れたごま油のおかげで、ペーパーなしでも生地は張り付かないようだ。
火加減は、とにかく弱火でじっくりと。火が強いと、中に火が通るまでに表面が黒焦げになってしまう。
出来上がったパンを実食
材料を計ってから焼き上がりまで、およそ30分。出来上がったパンがこちら↓
砂糖を使ってないので表面が真っ白だが、白パンと言えば通用しそうな見た目だ。いざ実食。
ちょっと塩っぱいパン?
イーストの代わりに重曹を使ったので、その風味がそのまま出ている。重曹の量を少なめにした方が、味はよりパンらしい。
また、自作のパンは小麦だけのシンプルな味だ。市販のパンに入っているような、マーガリンや植物油脂の風味がないのがいい。
さらに、抹茶などを入れても美味しい↓
重曹ってどうなの?
ちなみに、重曹を入れないバージョンのパンも作ってみた。重曹を入れたときと入れないときの断面を比べてみる。
重曹を入れたときの方が、生地の中に気泡ができて少しパンらしくなる。重曹なしだと、ピザやお好み焼きの生地のようだ。
発酵なしで重曹を使う「ソーダブレッド」というパンもあるから、それに近いものだと思えばいいか。
発酵なしのパンは、「食べたい」と思ったときすぐ作れる。特別な道具も必要なく、パパっと手作りパンが味わえるのは嬉しいことだ。
「パンが好きだけど毎日買うのは……」という人は、ぜひ自作のパンに挑戦してみよう。