「貧乏だからお金が貯まらない」は言い訳。一人暮らしの家計を見なおすコツ。
お金が貯まらないのは収入が少ないせいではなく、家計に問題があるからだ。一人暮らしの家計の見直しポイントを考えたい。
年収500万でも赤字の人もいれば、その半分以下の収入で貯金できている人もいる。収入の多い少ないに関わらず、引き締めるポイントはある。
食費が月2,500円?
家計の見直しについて考えたきっかけは、生活保護で暮らす独身女性の記事を読んだことだ。女性は月11万円で日々の暮らしをやりくりしているという。
女性の家計簿も公開されていた。それがこちら↓
【1か月の家計簿】
家賃 4万2000円
水道光熱費(※生活保護のため水道代0円)4000円
食費 2500円
通信費 1万1500円
飼い猫の治療費 約3万円
日用品その他 2万5000円
合計で115,000円、生活保護費をキッチリ使い切っている計算だ。
記事の中では「どケチ節約術」と紹介され、とくに「食費2,500円」という点が注目されていた。この人は食費を週500円に抑えるため、毎日食パン2枚で暮らしているという。
そこだけみると徹底した節約に見えるが、そこまで食費を削っても支出が10万を超えるのは疑問だ。ほかの支出をチェックすると、「もっと削れる」という点も多い。
家計の見直しポイント
通信費が高い
まず真っ先に気になったのは、通信費の11,500円。内訳としては、
携帯料金…7,500円
PCのネット代…3,500円
といったところだろうか。大手キャリアとPCのwimaxを使うと、月にこれくらいは取られるかもしれない。だが収入の10%と考えると高すぎる。節約の余地は大きい。
私が思う通信費の見直しポイントはこちら↓
・携帯を格安スマホに変える
・PCのネットはスマホのテザリングで済ませる
これなら月2,000~3,000円でネットが使えて、8,500~9,500円の節約に。貧乏人と格安スマホは切っても切れない関係だ。
もしくはPCのネット主体にする作戦もある↓
・wimax2+のギガ放題を契約
・スマホは格安SIMの通話プラン無しを契約
・スマホでネットを使うときはwi-fi通信にする
動画・音楽好きのヘビーユーザーならば、こちらの方が快適なネット生活が送れるはずだ。
通話なし・月3.1Gのプランなら、月1,000円から使える。wimax2+のギガ放題は月3,500円が相場なので、月4,500円でネットが使い放題だ。スマホのテザリングよりは高いが、今までの半額にはなる。
日本の通信費は、世界と比べても高い。通信費は皆手を付けたがらない部分だが、家計を見直すなら一番真剣に考えたいポイントだ。ぜひ契約を見直してほしい。
ペットはお金がかかる
家計の中で一番高い、「猫の治療費30,000円」。私も実家で犬を飼っているので分かるが、ペットは人間以上にお金がかかる。
この人は猫を飼っている途中で生活保護の暮らしとなり、今に至るのかもしれない。猫が悪いわけじゃないが、一人暮らしでペットを飼うのはリスクが高いなと思った。お金のこともそうだし、自分が倒れたときが何より心配だ。
猫と触れ合うなら、保護猫カフェなどにいくのがいいのかと思う。軽い気持ちで飼うのだけは避けたいものだ。
ペットの話はこちらでも⇒【後悔する前に読んで!】一人暮らしでペットを飼いたい人が、覚悟しておいた方がいいこと
日用品その他がザックリしすぎ
「日用品その他で25,000円」というのも、ずいぶんザックリした内訳だなあと思う。化粧品なども含まれるなら、せめて日用品と美容品代は分けた方が見やすいんじゃないのか。
ザックリした内訳がよくないのは、「どこに無駄な支出があるか?」が分かりにくくなる点だ。削る部分が見えなければ節約のしようがない。
また「雑費」というのは便利で、自分の裁量1つでなんでも雑費にできてしまう。チョコチョコした出費を全部雑費にして、計数万円の無駄遣いというケースも多い。月25,000円というのはまさにその結果かもしれない。
健康は命
貧乏人が節約を考えたとき、真っ先に削られるのが食費だ。固定費と違って削りやすく、「節約頑張ってる!」と実感しやすいからだろうか。
だが栄養失調で病院送りにでもなれば、削った食費など簡単に吹き飛ぶくらいの支出になる。貧乏人こそ健康が命だ。健康の基本は食だから、食費は削らない方がいい。
少なくとも月10,000円の食費は確保したい。食費の話はこちら⇒【月6000円】ズボラでも一人暮らしの食費を節約できる、超具体的な14のコツ。
かくいう私は月6,000~7,000円の食費だ。「収入が増えたら月10,000円に……」という思いをいだき続けて1年以上は経つ。
また、食費など削れたとしても月5,000円の節約が限界だ。だったらやはり、通信費や保険料などの固定費を見直す方が節約効果は大きい。一度見直せばいいだけだから、トータルでも楽だ。
生活保護だから貯金を避けている?
「日用品その他」の支出は、生活費もろもろを差し引いて余ったお金を使った結果なのかもしれない。貯金が増えると生活保護を止められるから、あえて全部使い切ってしまう。
生活保護で蓄財はルール違反なのでしかたがないが、この仕組みがある限り生活保護者は生活保護から抜け出せないなあと思う。貯金がない状態で生活保護を打ち切られたら死活問題だ。
仕事を探すにしても、収入が増えれば生活保護費は削られる。仕事をしない方が楽なら、再び立ち上がろうという気も起きない。生活保護は必要なセーフティネットだが、いったんハマると抜け出せないのが大きな問題点だ。
生活保護でも年金は払える
生活保護は健康保険や年金の支払いが免除される。この人も年金などは払っていないようだ。
だが生活保護者でも、自分が希望すれば年金は払える。払えるなら払っておいた方が、将来的に安心だ。
年金の滞納がなければ、iDeCo(確定拠出年金)に加入して自分の年金を増やすチャンスもある。生活保護を使い切るにしても、少しでもこういった部分に充てれば老後資金が蓄えられるのになあと思う。実にもったいない。
心理的に余裕がなくて、目先の節約に走る気持ちも分かる。だが貧乏人こそ冷静な視点で家計を見直すことが欠かせないんじゃなかろうか。今のままでは貧乏体質からいつまでも抜け出せない。
貧乏人はお金の使い方に問題があるからこそ、貧乏のままだとも言える。家計の見直しは収入の多い少ないに関係なく、誰もに必要なことだ。