「断捨離しない片付け」が絶対に不可能な理由
断捨離について調べていたら、「断捨離しない片付け方法」なるものを見かけた。ものを捨てられない人には夢のような話だが、捨てずに部屋を片付けることなど絶対に不可能だ。
これは片付け下手の私が、ミニマリストを目指し荷物と格闘してきた実感でもある。ものを捨てない片付けは、部屋をよけいに汚くするだけだ。
捨てない片付け3つの方法とは?
私がみかけた「捨てない片付け」3つの方法はこちら↓
1.捨てずに仕分ける
2.収納場所のウエストマーク(適正サイズ)は小さめを意識
3.捨てずに循環させる
ポイントは、
・よく使うものだけ厳選する
・使わないものは押入れなどの収納スペースに保存
・いらないものはゴミにせずリサイクルする
生活スペースをスッキリさせ、捨てずに部屋をきれいにしようという考えだ。確かにこの方法なら、断捨離せずに済む。
だがこの方法、実践するには1つ大事な条件がある。それは「収納スペース>>荷物の量」ということだ。まずは荷物をしまう場所を確保しないといけない。
だが片付け下手・断捨離が苦手な人間の部屋は、既に収納スペースが荷物で埋まっている。それをどうにかできないから、部屋に荷物が溢れ返っているのだ。
2つめの収納スペースを小さくするという方法は、片付けに効果的だと思う。ヘタに空間があまっているから、人はそこに荷物を押し込みたくなるのだ。
しかし「捨てられない・片付けられない」という人は、ほぼ確実に真逆のことをやってきている。部屋はもちろん、収納のなかにも収納グッズが溢れ、収納スペースを減らすどころではないのだ。
収納グッズの罠についてはこちらでくわしく⇒断捨離できない理由は収納が多すぎること。片付けテクが好きな人がハマる5つの落とし穴
収納を減らすにしても、まずはその中の荷物を減らさないことには始まらない。捨てない片付けでは、ゴミにするのではなく「人に譲る」「リサイクルする」という方法を使っている。
私も「もったいない病」を患う人間なので、いらないものも捨てずに譲ることが多い。売れそうならメルカリなどに出品したり、それすら面倒なときは地域のリサイクルコーナーへ出す。ゴミに出すより、精神的に楽だ。
しかし、リサイクルにも限度はある。古すぎるもの・ボロボロなものなど、人に使わせるには申し訳ないものも多いはずだ。
大手アパレルによる服のリサイクルも増えているが、その中古服を送られた先の国も困っているのが現状だ。とくに質の悪いファストファッションは貰い手がなく、結局ゴミとして処分される。
行き過ぎたリサイクルは、ゴミ処理の先送りとも言える。自分が出来ないゴミ捨てを、人に押し付けるようなことは避けたいものだ。
物置き収納は断捨離の先送り
仮にものをしまえるスペースが十分にあったとしても、そこにしまうだけでは真の片付けとはいえない。やがて収納スペースがいっぱいになれば、同じ悩みに行き当たるからだ。物置き収納は断捨離の先送りでしかない。
荷物が今より増えないなら大丈夫かもしれないが、ものを増やさずに暮らすなど大抵の人には無理だろう。今は片付いていても、再び散らかるのは時間の問題だ。
この先ものを捨てずにやり過ごそうとすれば、死ぬまで物置きスペースを増やし続けるハメになる。齢を取れば体力も気力も落ちてくるのに、そんなことで悩み続けるのは疲れないだろうか。
自分は大丈夫でも、遺された人たちが大変だ。古くて大量の遺品の整理など、誰だってやりたいとは思わないはずだ。業者に頼むにしても、何十万ものお金がかかる。
それでも捨てたくない人がよほど多いのか、ここ数年で「宅配トランクルーム」サービスも盛り上がってきた。有効活用できている人もいるだろうが、大抵は「いらない荷物置き場」になってるんだろうなあと思う。月額料金を払うのがもったいなくないんだろうか。
結局捨てるしかない
結局のところ片付けは、どう回り道をしようが「断捨離」に行き着くようになっている。いつか捨てるなら、今捨てる方が楽じゃないだろうか。
捨てるハードルが高いのは最初の一回で、後は捨てるほどに慣れていくものだ。「捨てる」スキルが鍛えられば、片付けが驚くほど捗るようになる。
片付けヘタでもできる断捨離のステップはこちらで紹介中⇒ズボラ流、断捨離を簡単にするやり方。この順番なら誰でも片付くよ。
もちろん捨てる以外に「ものを増やさない」意識も大事なのだが、断捨離が進めば「ものに対する欲求」が減る。自然と「捨てる>増やす」の生活に変わり、部屋が散らかりにくくなる。
断捨離しない片付けができるのは、
・とてつもなく家が広い
・ものが極端に少ない
・整理整頓が完ぺき
の条件をそろえた人だけだ。
だが大抵の片付け下手はどの条件もクリアしてないので、捨てずに片付けなどほぼ出来ない。むしろ捨てない片付けの実践で、よけいに部屋が散らかるだろう。
部屋を片付けるには、どの道ものを捨てるしかないのだ。避けるより真正面から取り組む方が、結果的に早く・確実に片付くんじゃなかろうか。