負け犬30代女がこの時期発作的に聴きたくなる、定番のクリスマス・ソング4選。
街中にクリスマスソングが流れる季節です。一人暮らしの枯れ女が12月になると発作的に聞きたくなる、定番の曲を紹介します。
恋愛には全く縁がないせいか、ハッピーなクリスマスソングよりも切ない負け犬的ソングの方がしっくりきます。私にとってクリスマスは、もっぱら美味しいものを食べる日です。
クリスマス・イブ(山下達郎)
JRのCMでもおなじみのクリスマスソング。「雨は夜更け過ぎに」から始まるメロディは、日本人ならば誰もが一度は聞いたことがあるはずです。
子供の頃は分からず聞いていましたが、「きっと君は来ない」とか哀しみ全開です(CMではしっかり来てますが)。
「秘めた思いを叶えられそうにない」とか、「今夜だったら言えそうな気がしてたんだけど」など、片思いだったんでしょうか。察するに、かなりシャイな性格と見えます。
雨の中で待ち人が来ないという状況、むしろ歌の主人公を待たせている相手の心理が気になります。雨の中人を待たせて、一体何をやっているのか。待たせた相手が気になって、クリスマスどころではないはずです。
夜更け近くまで待たされる状況、もしかすると、クリスマスの約束すらまともに取っていなかった可能性もあります。ただ相手を待ち伏せして、通りかかるのをじっと待ちかまえていたんでしょうか。
当時は携帯やポケベルもなかったので、連絡を取りたくても取れなかった可能性も高いです。むしろこっちの方が自然かもしれません。
今ならLINE一通で済む話も、昔は立派なクリスマスソングになる状況。技術の進歩は、ときに味気ないものです。
Last Christmas(WHAM)
邦楽代表の山下達郎に並び、洋楽の負け犬クリスマスソング代表は「Last Christmas」ではないでしょうか。歌詞を聞くと、こちらも相当ネガティブが入っています。
冒頭の歌詞は「去年のクリスマスに告白して、翌日フラれた」という状況。そこで、「今年は別の大切な人に心をあげよう」と決意しています。
しかし「去年のことだから、君は自分のことなど覚えていないだろう」「もう騙されるもんか」など、みごとな強がりっぷり。こう言いつつ、本人はフッた相手のことを完璧に引きずっています。
相手のことを忘れたくてほかの人と付き合うも、結局昔のことが忘れられずに悩む。しかし自分が悩むほど、相手は気にしていなかったりするのが現実です。
色気より食い気な女としては、「いつまで悩んでるんだ」と言いたいところです。クリスマスに付き合った恋人とは、そんなにも忘れがたいものなんでしょうか。
過去はスパッと忘れて吹っ切れるなり、もう一度アタックして砕け散るなり、一年の間にできることはいくらでもあったのではないかと思います。ただモヤモヤし続けるのが、一番良くないです。
日本だと定番のLast Christmasですが、アメリカ本国だといまいち人気がありません。あまりに後ろ向きな歌詞が、アメリカ人の心に響かなかったのでしょうか。
いつかのメリークリスマス(B’z)
子供の頃よりB’z好きだったというのもあり、クリスマスソングでも良く聞いていました。過去の楽しかったクリスマスを振り返る内容です。
彼女が欲しがっていた椅子を買って、電車に乗り込む男。終電間際に椅子を抱えて、一人微笑んでいる男がいたら周りは怪しむだろうと思います。
歌の最後の方では、同じような場面に出くわした男が「俺にもあんな時代があったなあ……」と昔を振り返る。エネルギッシュだった若者時代から、色々経験して大人に成長した哀愁が漂っています。
さらにこのストーリーには続きがあり、男と元恋人は「良い友達」で収まって終わるようです。昔の恋人と良い友人関係を築くなど、大人の余裕を感じさせます。
(Last Christmasの主人公にも、これだけの度量があれば良かったのかもしれません)
ボーカルの稲葉氏の歌詞は、そのままだと結構恥ずかしいです。が、なぜか松本氏の曲に乗ると、自然と歌うことができる不思議さがあります。
Carol of the Bells(Mykola Leontovych)
こちらは失恋ソングではなく、由緒ある聖歌。ウクライナの神父さんが作った名曲です。
この聖歌は、往年の名映画「ホーム・アローン」の挿入歌として使われています。私と同世代ならば、おそらく知らぬ者はいないのではないでしょうか。
オリジナルの「Carol of the Bells」も、厳かさがあって良いです。加えて、原曲をアレンジした「Setting The Trap」も名曲。もしかしたら、このアレンジバージョンの方が馴染みがあるかもしれません。
クリスマスの定番ソングが流れると、「年末がやってきたなあ」と感慨深くなります。一緒に過ごす相手の心当たりは全くないので、今年も失恋ソングを聴きつつまったりやり過ごす予定です。