【うっかりが多すぎる】発達障害でも簡単にできる、ミスを防ぐ対策
いわゆる「大人の発達障害」の悩みの1つに、うっかりミスが多いということがある。どうすればうっかりミスを防げるのか、明日から簡単にできる対策を紹介したい。
普段はもちろん、仕事でもミスが多くて落ち込んでしまう人も多いかと思う。どうしてもミスを減らせないときは、ぜひ参考にどうぞ。
「うっかり」を防ぐポイント
発達障害者がミスをしてしまうのは、早く正確にやる作業が元々向いてないということもある。向いてないことを頑張ってやるので、
・うっかりミス→注意される→焦る→よけいにミスする
というサイクルにはまってるんじゃないかと思っている。
ただ単にミスを減らしましょうなどと言われても、対処法が分からないのでとても困る。ポイントは、最初の「うっかり」をどうやってクリアするかということだ。
うっかりは性分ではあるが、意識することである程度は避けられる。そのために大事なのは、
・1つの動作に集中する
・ゴールで区切る
・心によゆうを持つ
の3点だ。詳しくは以下から↓
目の前の1つの動作に集中せよ
発達障害のなかでも、AD(注意欠陥)の傾向がある人は色々なところに注意が向いてしまうという性分がある。学校の授業を聞かなきゃいけないところで、他のことが気になって聞いてなかったという人も多いんじゃなかろうか。
これを乗り越えるためには、シンプルに「目の前の1つの動作に集中する」というのがいい。文字を書くなら書くだけ、人の話を聞くなら聞くだけと、それ以外のことは気にしないようにする。
中途半端に「あれもこれも」とやろうとすると、どれも終わらないまま放ったらかしになってしまう。1つの仕事が終わるまでは、意識して「これを終わらせるぞ」と言い聞かせるといい。
ゴールで区切る
しかし集中しすぎると、ほかがおろそかになるのもADの哀しいところだ。現実上の仕事が難しいのは、集中しながらほかのことも気にするという離れ業が必要なことだ。
だがこれは、脳のスイッチを素早く切り替えていくつものことを気にしているように見せかけているだけなのだ。発達障害の人は、定型発達に比べてスイッチの切り替えが下手なんだと思う。
このスイッチをうまく切り換えるには、ゴールで区切るというのが効果的だ。たとえばAとBの2つの作業をやるなら、
・作業Aのゴール1にたどり着く→作業Bをゴール1まで進める→作業Aのゴール2まで進める……
という感じに進めていく。
Aをゴール1から10まで一気に進めるのではなく、途中でBも挟むのがミソだ。これなら、
「前に頼んでおいたアレどうなった?」
「しまった!!!」
となる危険性も減る。
いくつもの仕事を頭の中だけで管理するのは混乱の元なので、今やっている作業はリストに書いておくといい。なんなら、作業の流れ図をメモに書いてもいいんじゃなかろうか。
心によゆうを持とう
あれもこれもとやろうとするのは、心によゆうがないのも理由の1つかと思う。作業がいくつもあるときほど、落ち着いて1つ1つ終わらせたいところだ。
また、私の実感では、心によゆうが無くなるときは「時間がない」と思っているときが多い。こういうときは、早起きするなど時間によゆうを持つと精神的に安定しやすかった。
時間を作るなら夜更かしでもいいが、夜は頭が疲れているので効率が悪い。仕事があるときほど、早く寝て次の日の午前中にやる方がいい。
早起きのコツはこちら⇒朝活したい人は必見。私が朝の5時に起きられるようになった、早起きできる方法
ミスを防ぐ具体的な対策
紹介したポイントをふまえて、具体的な対策を考えていく。一気にやろうとするとかえって混乱するので、できそうなところから慣れていくのがおすすめだ。
その日の「これだけはやる」ことを決める
ものごとに優先順位を付けると、頭が疲れにくい。今日中に絶対やっときたいということを決めて、まずそれを終わらせることに集中する。
時間には限りがあるうえ、発達障害は作業に時間がかかることも多い。1度に多くのことを消化するより、1つでいいから用事を片付ける方が確実だ。
たとえ予定通りにいかずとも、これだけは終わらせたという安心感が生まれる。中途半端にすすめたモヤモヤ感を、次の日に持ち越さないことが大事だ。
やりたいことをバーッと書き出す
そもそも何をやればいいか分からないというときは、とにかくやりたいこと・気になることをバーッと書き出していく。できれば、ノートに手書きするのがおすすめだ。
私はよく、朝イチに色々なことを書き出す。詳しくはこちら⇒心のデトックスとストレス解消方法には、モーニングページが簡単でおすすめ
本当は自分の気持ちなどを書くものだが、最近はほとんどやることリストと化している。
私がよく書くのは、
・買い出しのリスト
・借りたい本、返す本
・細かい用事(手紙を出す、お金の振り込みなど)
といったことだ。
頭のなかにしまっておくと、ゴチャゴチャして気ばかりが焦る。外に出すと作業が整理され、やることがハッキリする。
ついでに終わった用事は、線を引いて消していくのもおすすめだ。作業の終わりを意識することで、区切りが付けられる。
優先順位を付けて順番にこなす
1つづつ進めていくことに慣れてきたら、複数の作業に優先順位をつけるといい。取りあえずは、締め切りがちかい順から片付けていくのが分かりやすく簡単だ。
とくに締め切りがないものは、このぐらいまでにはやりたいという仮の締め切りを考えるのもいい。でないと、いつまでもできずに残ってしまいかねないので注意だ。
優先順位を付けるのは効率化の王道だが、あまり並べすぎても予定通りにいかないのが発達障害だ。突然のトラブルに備えて、
・順位付けは多くても5位まで
・カバーするため1~2日くらいの余裕を持つ
というようにすると失敗しづらい。
1つの動作を3つ以上に区切る
1つの作業をやるときは、単純なタスクに区切るといいとよく言われる。発達障害の人はさらに突き詰めて、1つの動作をさらに細かく分けるのがおすすめだ。
たとえばご飯を食べる動作1つにしても、
・おはしを持つ
・ご飯をつかむ
・ご飯を口まで運ぶ
と分けられる。あらゆる作業を、こんな感じで区切るのだ。
うっかりミスや混乱が多いのは、細かい作業を意識せずに進め、その途中でステップを抜かしてしまうのも理由の1つだ。単純な作業に分けて順番にやれば、ステップを忘れる危険が減る。
頭の中で作業を言葉にする
さらに確実性を高めるため、1つ1つの動作を頭のなかで言いながらやるといい。前のご飯を食べる動作なら、「おはしを持つ」「ご飯をつかむ」など、いちいち脳内で言葉にするのだ。
バカバカしいようにも思われそうだが、これは今自分がやっていることに集中できるというプラスの効果がある。頭の中が作業のことでいっぱいになるから、ほかのことを考えるよゆうが無くなるのだ。
ADが1つのことに集中しづらいのは、頭のなかに浮かんだことに次々と注意が向いてしまうからだと思う。
・目の前の動作のことだけ考える→終わったら次の動作のことだけ考える
を繰り返すことで、ほかのことに注意がそれる可能性を減らせるんじゃなかろうか。
覚えているうちにやる
うっかりミスが多い原因には、忘れっぽい性分も関わっている気がする。前に言ったことを矛盾するようだが、大事な用は覚えているうちにやることも大事だ。
私はよく、洗濯ものの浸け置きを後回しにして忘れることが多い。寝る直前でいいやなどと考えると、結局忘れてそのまま寝てしまうのだ。
ほかの作業の途中で「そういやこれもやらないとな」と思ったことは、すぐメモに書いて分かりやすいところに貼っておくのがおすすめだ。急ぎの用事なら、今の作業が終わり次第済ませてしまうのがいい。
私も発達障害の傾向があると診断されたが、確かに小さい頃から忘れ物や小さいミスが多かった。昔はミスの度に落ち込んだものだが、今は「障害ならしょうがねえやな」と思うようになった。
脳の特性のせいで、大多数ができることが上手くできないのが発達障害だ。どういう点でつまづきやすいかを見極めて、1つづつクリアできるようにしたい。