実録・積立FXをやってみた。初心者向けのメリットなどを紹介します
貧乏ながら資産運用にあこがれ、2017年11月より積立FXなるものを始めた。積立FXとはなんなのか、投資の知識ほぼゼロの私が勉強したことを披露したい。
さらに月が変わったので、大体どれくらいの成果が出たかもご覧いただきたい。
そもそもFXって?
まずFXとは、外国為替証拠金取引のことをいう。FXの前に、まず為替取引のことをザックリ説明したい。
為替取引とは?
為替取引とは、色々な国の通貨を買ったり売ったりすることだ。
例えば、
・円でドルを買う
・ドルで円を買う
・円でユーロを買う
・ドルでユーロを買う
というのは全て為替取引になる。通貨Aを売って、通貨Bを買うというイメージだ。
そして通貨の値段は、常に高くなったり安くなったりと値動きがある。この値動きを利用してお金を儲けるのが、為替取引の大きな目的だ。
為替取引で利益を得る仕組みはこんな感じ↓
・100円で1ドルを買う
・その後、ドルが110円に値上がり
・1ドル110円で売る
・10円の儲けが出る!
肝は、「安いときに買って高いときに売る」ことだ。ドルが120円、130円と値上がりすれば、さらに儲けは増える。
(ドルが130円にまで値上がることは多分無いが)
日本に住んでいる場合、基本は円を売ってドルやユーロを買うことになる。将来的に外国の通貨が高くなりそうだと思ったとき、まだ安い今のうちに買っておくのだ。
FXも為替取引をするのだが、普通の取引とはかってが違う。大きな違いはこんな感じだ↓
・レバレッジをかけて大きな金額で取引できる
・売りから始めることもできる
それぞれ、どういうことか見ていきたい↓
レバレッジで大きな取引
レバレッジとは、てこの原理のことをいう。FXだと、小さなお金で大きなお金を動かす仕組みのことだ。
例えばこんなときに、レバレッジが役立つ↓
・「1ドル=100円」のとき、1万ドル分の取引をしたい!→100円×1万=100万円も必要……
もし手元に10万しかないとすると、取引したくてもできない。そこでレバレッジの出番だ↓
・レバレッジ10倍をかける→10万×10倍=100万円分の取引ができる!
レバレッジをかけることで、10万しかなくても100万円分の取引ができるのだ。もしレバレッジが20倍なら、5万円を用意すれば取引できることになる。
100万円分の取引なので、もちろん利益も大きくなる。もしドルが101円に値上がりしたら、1万円の儲けだ。
しかしその分、損も大きい。逆に99円に値下がりしたら、1万円の損となる。儲かるときは儲かるが、損したときのダメージも絶大なのだ。
レバレッジはハイリスクな仕組みなので、今は最大でも25倍までとなっている。正直、シロウトが使いこなすには難しい仕組みだ。
差金決済で売りから始める
FXは差金決済という仕組みで、買い・売りどちらからでも始めることができるのも目玉だ。
差金決済とは、「通貨を売り買いしたときの差額だけお金をやり取りしますよ」ということだ。
もし100円で買ったドルを110円で売ったら、10円の利益が出ると言った。差金決済では、差額の10円だけをやり取りするのだ。
差額だけ決済すればいいから、はじめに売って後から買い戻すということもできてしまう。その場合、こんなことができる↓
・1ドルを売って100円を買う
・1ドルが90円に値下がり
・90円で1ドルを買う→10円の儲け!
普通の為替取引だと、手元に通貨がなければ他の国の通貨が買えない。日本人はほぼ円しか持ってないはずなので、円を買ってドルを売るというところから始めないといけない。
しかしこれだと、ドルが値上がりするときにしか儲けが出ないことになる。ドルの値下がりが続いている間は、じっと待つしかないのだ。
その点FXは差金決済のおかげで、ドルが値下がりしたときでも儲けのチャンスがある。どんなタイミングでも利益を出せるのが、FXの魅力の1つだ。
積立FXとは?
しかし実際のところ、FXで利益を出すのは難しい。そう簡単に通貨の値動きが予想できれば、だれも苦労はしないだろう。さらにリスクが高いのも、庶民には手が出しづらいところだ。
そこで考えたのが、「FXも積立投資したら利益が出しやすいんじゃないか?」ということだった。海外の通貨を一定の金額でコツコツと積み立て、安定した取引をしようというのが積立FXだ。
調べてみたところ、すでにSBI FXトレードで「積立FX」というサービスがあった。これを使えば、毎日放ったらかしでドルを積み立ててくれる。ズボラには実にありがたい仕組みである。
ドル・コスト平均法でリスク分散!
積立投資がなぜ安定しているかというと、ドル・コスト平均法でリスクを低くできるからだ。
ドル・コスト平均法とは、株や海外の通貨などを「毎月決まった金額だけ」買っていく投資法のことだ。
例えば、こんな2つのケースを比べるとドル・コスト平均法の効果が分かる↓
・毎月100ドル買う場合
合計 | 平均購入額 | ||||||
ドルの値段 | 100 | 110 | 95 | 120 | 80 | ||
金額 | 10000 | 11000 | 9500 | 12000 | 8000 | 50500 | 10100 |
購入数 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 500 |
・毎月10,000円分のドルを買う場合
合計 | 平均購入額 | ||||||
ドルの値段 | 100 | 110 | 95 | 120 | 80 | ||
金額 | 10000 | 10000 | 10000 | 10000 | 10000 | 50000 | 10000 |
購入数 | 100 | 90.9 | 105.3 | 83.3 | 125 | 504.5 |
毎月10,000円分を買う方が、多くのドルを買いつつ平均の購入価格を安くできる。高いときは少なめに、安いときには一気に多く買えるのが、ドル・コスト平均法の魅力だ。
為替も、毎日安くなったり高くなったりする。値動きの予想ができなくても、とにかく毎日積み立てればリスクを抑えつつ儲けられるんじゃないかと思った。
FX口座の方が普通の外貨預金よりお得
単なる積み立てなら外貨預金でもできるが、手数料が高いのがネックだ。その点FXならば、手数料無料で積み立てができる。
FXでもスプレッドというコストがあるっちゃあるのだが、外貨預金の手数料と比べれば安い。FXは、外貨預金の代わりとして使うこともできるのだ。
ちなみにスプレッドとは、通貨を売るときの値段と買うときの値段の差だ。例えばSBI FXトレードの場合、ドルのスプレッドは0.27となっている。この場合、
・100円で1ドル買った→売るときは100円-0.27=99.73円
という感じになる。100円のものを、そのまま100円で売ることができないのだ。スプレッドは、実質的なFXの手数料ともいえる。
1日のうちでひんぱんに売り買いするときは、スプレッドは重大事だろう。が、積み立てFXの場合、スプレッドはそこまで気にしなくてもいいものだ。
積立のルール
実際のところ積み立てFXでいくら儲かるのか、身をもって確かめてみることにした。私の積み立てルールはこんな感じだ↓
・通貨…米ドル
・毎月の金額…3,000円
・買う頻度…毎日
・レバレッジ…1倍
ドルを3,000円を月の日数で割って、少しづつ積み立てていく。本当は10,000円くらい積み立てたいが、まだそこまでの余裕はない。
また安定が第一なので、レバレッジも最低の1倍にした。こうなると、本当にただの外貨預金だ。
肝心の取引通貨も、安定最優先で米ドルに。ドルならある程度のなじみもあるし、そこまで大暴落することもないだろう。
11月の成果
こんな感じで、11月の途中から取引を始めてみた。その結果がこちらだ↓
数量 | 価格 | 代金 | |
11/6 | 0.39 | 114.51 | 44.6589 |
11/7 | 0.39 | 113.94 | 44.4366 |
11/8 | 0.4 | 113.78 | 45.512 |
11/9 | 0.39 | 114.06 | 44.4834 |
11/10 | 0.4 | 113.39 | 45.356 |
11/11 | |||
11/12 | |||
11/13 | 1.19 | 113.7 | 135.303 |
11/14 | 1.2 | 113.65 | 136.38 |
11/15 | 1.2 | 113.18 | 135.816 |
11/16 | 1.2 | 113.03 | 135.636 |
11/17 | 1.21 | 112.45 | 136.0645 |
11/18 | |||
11/19 | |||
11/20 | 1.21 | 111.99 | 135.5079 |
11/21 | 1.21 | 112.62 | 136.2702 |
11/22 | 1.21 | 112.32 | 135.9072 |
11/23 | 1.22 | 111.26 | 135.7372 |
11/24 | 1.22 | 111.37 | 135.8714 |
11/25 | |||
11/26 | |||
11/27 | 1.22 | 111.41 | 135.9202 |
11/28 | 1.22 | 111.28 | 135.7616 |
11/29 | 1.22 | 111.59 | 136.1398 |
11/30 | 1.22 | 112.03 | 136.6766 |
平均価格 | 112.4439 | ||
評価価格 | 112.48 | ||
損益 | 0.683 |
ごく少ないが、11月は利益が出ている。
最初の方だけ購入数と代金が少ないのは、1000円分で買っていたからだ。しかしその後、あまりに少ないと感じて3000円分に増やした。
しかし11月は、ドルがずっと値下がりした時期だ。そう考えると、最初から3000円分を買わなかったのはむしろ幸いだった。
ドル・コスト平均法は、価格が下がれば下がるほど多く買える。しかも平均購入価格も下がるので、ドルが値下がりしてもそれなりに楽しみがあるのだ。
この調子だとまだ、ドルが値上がりすることはない気がする。今のうちにコツコツ買い足していきたいところだ。
そんなこんなで、引き続き積み立てFXを続けてみる。1年後は、果たしてどんな感じになっているんだろうか。
その頃には3,000円といわず、毎月10,000円くらいは積み立てられるようになっていたいものだ。