自分に自信がある人は愚か者?自分を過大評価したがるダニング・クルーガー効果とは。
自分に自信がある人ほど、実は自分を過大評価する傾向にあるようです。これは、ダニング・クルーガー効果と呼ばれています。
自信家の人は、それは単なる過大評価かもしれません。自分は本当に自分が思うほど優秀なのか、一度冷静に考えてみるのも大事ではないでしょうか。
成績が悪い人ほど過大評価しがち
ダニング・クルーガー効果は、この実験をした2人の学者の名前から取ったものです。
彼らはある実験で、「成績が悪い人ほど、自分は成績が良いと思っている」ことを突き止めました。逆に成績が良い人ほど、「自分の成績は悪い」と感じる傾向があったようです。
自分に自信を持つのは良いことです。しかしそれも、度を過ぎると「自画自賛」になるということかもしれません。
似たようなものに、「ポリアンナ症候群」があります。こちらはポジティブ過ぎる人の問題に切り込んだものです⇒マイナス思考より悪いポリアンナ症候群。ポジティブシンキングと現実逃避の違いとは?
ダニング・クルーガー効果が厄介なのは、「自分がそうだ」とは結びつけにくい点です。「そういえばあの人は……」と思っても、自分ごととして捉える人は少ないといいます。
そもそも「自分を過大評価する」のがダニング・クルーガー効果なので、本人が気が付かないのも当然とも言えます。ならばどうすれば自分を過大評価せずに済むのか、考えてみました。
知らないことを恐れない
自分を大きく見せたがる人ほど、失敗や無知を恐れます。自分を完璧さに傷がつくのが嫌で、むしろ知らないことを素通りしようとすらするのです。
しかし、「知るは一時の恥、知らぬは一生の恥」ということわざもあります。知らないことは「知らない」と言った方が、後々の自分のためにもなるのです。
知ったかぶりで下手に話を合わせ、後で苦労した経験があるのは私だけではないはずです。知らないことは、その場で素直に認めた方が楽に生きられます。
人に聞くのが嫌なら、今はネットという偉大な先生がいます。一番マズいのは「ものを知らない自分を認めない」という、良く分からないプライドにとらわれることです。
何でも自分でやってみる
失敗や無知を恐れるゆえ、自らボロを出すようなことは絶対にしない。これも、自信過剰な人にはよく見られるそうです。
けれど自分で確かめてみて、始めて分かることはたくさんあります。テレビの聞きかじりやネットの情報を見ただけでは、本質がつかめないことも多いです。
やらずに考えているうちは成果ゼロですが、やれば必ず何かしらが残ります。気になったことは、取りあえずチャレンジしてみた方がお得です。
チャレンジして失敗することも、もちろんたくさんあります。しかし「自分がいかにダメか」を知れば、根拠のない自信を持つ心配もなくなります。
客観思考を持つ
根拠のない自信を持ってしまうのは、周りが見えていないからとも言えます。「絶対大丈夫」と思うときほど、客観的に状況をとらえる方が安全かと思います。
もし自信のでどころ、「今までそうだったから」「そういう気がする」だけだったら、危険です。根拠のない「大丈夫」が通用するのは、漫画の世界だけと思って間違いありません。
自分なりに理由があって「大丈夫」だと思うなら、それはそれで良いと思います。もしその考えが間違っていたにしても、何故間違っていたのか原因を考えれば良いからです。
「なぜ大丈夫だと思うのか?」。しっかり説明できる理由があることが大事かと思います。
自分ごととしてとらえる
「人の振り見て我が振り直せ」「明日は我が身」。日本には身の回りのことを「自分ごと」として捉えなさいという格言がたくさんあります。
人の失敗談も、笑って済まされない事態が起こるかもしれません。「大変だなあ」で済ませるのでなく、「自分は大丈夫だろうか」と考えるクセを付けると良いかもしれません。
他人事を自分ごととして捉えるコツは、聞いたらすぐに行動に移すこと。防犯チェックなり生活習慣なり、忘れないうちに見直せるところは見直すことがおすすめです。
私も若いうちは、良く分からない自信に満ち溢れていました。そしてライター業が鳴かず飛ばず今も、「まあ何とかなるだろう」という楽観思考が抜けきりません。
お気楽な枯れ女生活、変に自信過剰にならないよう気をつけたいとも思います。この「ダニング・クルーガー効果」、単なる他人事と済まさないかもしれません。