ファッションやコーディネートの悩みの8割は、洋服の持ちすぎが原因
今回は、洋服が多すぎるとなぜコーディネートがややこしくなるのか、その理由をお話します。流行や着こなし術の研究も、服が多すぎるとかえって悩みが深くなります。
ファッションを悩ませる大きな原因は、手持ちの服をフル活用できないからです。多すぎる服をフル活用しようとすると、そこから迷いや悩みが広がっていくのです。
着ない服が多すぎるクローゼット
クローゼットには服がたくさんあるのに、なぜか「着る服がない」と悩んでしまう。それは、服は服でも「着ない服」が多すぎるクローゼットだからです。
毛玉だらけで部屋着にしか使えなそうな服、流行遅れの服、サイズが合わない服、今の年齢とそぐわない若い頃の服、衝動買いして1回しか着てない服など。そういう服が収納の中に溢れてはいないでしょうか。
いくら目の前に多くあっても、着ないなら「存在しない」のと同じです。そういう服はのっけからコーディネート候補には入らず、結局はいつもの洋服に落ち着くことになります。
着こなせない服は悩みを深くする
やっかいなのは、着ない服は透明ではなく目の前に見えているということです。每日着ない服を横目に同じ服ばかり選んでいると、「着こなせない服があること」がプレッシャーになってきます。
着ない服は、「私も着て欲しい」という無言のメッセージを発し続けます。そんなメッセージを受け続けると、「なんとかこの服を着こなしたい」と悩むことになります。
そこで「たまにはこれも着よう」と思うのですが、問題はさらに面倒に。いざ着ようとしても、合わせる服がなかったりして結局着こなせずに終わるのです。
ここで諦めない人は、次の手に出ます。ファッション誌やサイトで着こなしの研究を始めたり、着こなせない服にピッタリの新アイテムを探し始めたりします。そうしてどんどん、服で悩む時間が増えていくのです。
人はどうも、使ってないものがあると使い道を考えたくなる性分があるようです。けれど悩みを解決するなら、使い道を探すよりもスッパリ断捨離する方が簡単で効果的です。
スタイルがバラバラの洋服たち
着ない服には、着ないなりの理由があります。その中でも難しいのが、「ファッションスタイルがバラバラ」ということです。
「ボロボロ」「サイズがキツい」などの明らかに着ない服は、まだ諦めるのが簡単です。まだきれいで着た回数も少ない「毛色が違う服」こそ、コーディネートを悩ませる元です。
「たまにはかわいいチュニックを着たいけど、合わせられるボトムスがない」「こっちのチェックのパンツも履きたいけど、アウターとの相性が悪い」。私も、洋服の断捨離以前はそんな悩みがありました。
着こなせないことに罪悪感を感じ、ときおりファッション誌を見たり使いやすいアイテムを調べてみたり。前のところで言ったようなことをそのままやっていました。
今では、そんな「着こなせなかった」洋服は全て断捨離。手持ちが「着る服」だけになると、コーディネートは格段に楽になりました。
自分の理想のスタイルを着続ける
洋服の断捨離で私が実感したのは、「自分が着たいと思うスタイルを着続けるのが、ファッションに悩まない秘訣だ」ということです。
スタイルがバラバラの洋服とは、「自分の理想のスタイルと合わない服」でもあります。自分に合わない、あまり好みでない洋服を持ち続けることで、自らコーディネートの悩みにハマっていたのだと思います。
わざわざ好みと違う服を持つのは、「たまには違う雰囲気になりたい」「流行も取り入れたい」などの気持ちがあるからです。スタイルがバラバラ同士の服が増えていきます。
けれど自分のスタイルと違う服は、100%着こなすことが難しいです。結局は着る頻度も減り「着る服がない」状態になるというのは、前に言ったとおりです。
私も以前は「便利で楽そう」という理由でレギンスを履いていました。そこで、レギンスに合わせてチュニックやワンピース型の服も増やしていたのです。
けれど私が元々好きなのは、ジーンズなどのパンツスタイルです。レギンスもパンツと似ていますが、似合うトップスは微妙に違います。そうして2つのスタイルが衝突し、余計に悩みを増やしていたのです。
今はレギンスは断捨離し、パンツスタイルに統一。トップスもそれに合わせて、ジーンズなどに合うTシャツやカットソーが中心になりました。
スタイルが1つにまとまれば、後はそれに合う服を選べば良いだけです。1本の軸を中心にコーディネートを考えると、相性が悪いということもなくなりました。
着ない服を頑張って着こなそうとするのは、時間とエネルギーを余計に消耗する元です。着ない服はあればあるほど、コーディネートの悩みは深くなります。
色々なスタイルに手を出すよりも、自分が着続けたいファッションを追求する。自分の軸を1本持つことが、ファッションの迷いを消す一番の解決策です。