家族の無駄遣い体質を治す一冊。「やってはいけない節約」の感想

2015年11月7日

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節約にも、やって良いものと悪いものがある。節約を頑張り始めた私にとって、これはドキッとさせられる事実でした。

今回紹介する本「やってはいけない節約」は、そんな「結果的に損をしてしまう節約」を分かりやすく解説しています。

特に「無駄遣い体質」が無くならない、節約に悩む家庭は要チェックの一冊かと思いました。

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その節約、本当にお得ですか?

著者の小山信康さんがこの本を書いたきっかけは、「世の中の面倒な節約術に一石を投じるため」だそうです。

確かに、テレビなどで披露される節約術には「こんなことまでするの?」というものがチラホラあるような気がします。

中には「1500円以上で送料無料になる」「この商品を買うとポイント2倍」など、節約に見せかけてお金を使わせるような手法も多くあります。

このような「これって本当にお得なの?」という節約に対して意見をしてくれる存在は、今の世の中では少数派なのではないかと思います。

節約は長期的な視点から

本の中では、間近な節約に走るのではなく「長期的に見て利益の出る節約」をおすすめしています。

例えば、最近では悪いイメージのある年金。将来的にもらえる金額が減るとの指摘もありますが、年金には怪我や病気をしたときの「保険」の役目もあるとの説明があります。

年金と同じ内容の保証を民間の保険でやろうとすると、月々の年金支払額よりもはるかに高くなるそうです。こう考えると、年金を収めることは総合的にお得であるというのです。

テレビなどの大手マスコミは、あまりこういう節約を紹介してはくれません。このような冷静な視点が、節約には大事だと教えてくれる本でもあります。

節約するにはお金が必要?

ただ、この本はある程度の収入がある人を想定して書かれた本でもあります。本の中では「収入・節約・投資」の3本柱をバランスよく保つことが大事だとありますが、収入が低い世帯も多くあります。

生活が苦しいシングルマザー世帯や、ワーキングプアなどの貧困層に向けた解説もあればもっと良かったと思います。

このような世帯は、長期的視点に立とうにも明日を生きるのに精一杯なことがほとんどです。生活のために目の前の節約に走らざるを得ないのだから、その部分のフォローも必要かと思いました。

子供は労働力か?

また、本では少子化についても少し説明しています。「老後は子供の収入で生活するかもしれないから、子供はいる方が良い」という話です。

これも一理あるとは思いますが、将来子供が仕事につけない可能性には一切触れていません。逆にパラサイトシングルで親に負担をかける人もいると考えると、必ずしも正しい説明ではないように思いました。

 

無駄遣いが止まらない家族に読ませたい

この本は、基本的に収入のある男性をターゲットに書かれた本であるように思います。

例えば本の中の「参考書は後々の仕事のために借りずに買ったほうが良い」「副業は自分のキャリアアップに役立つ仕事を」などの指摘は、まさに社会人へ向けたアドバイスでもあります。

世の中の節約術は、主婦などの女性層に向けたものがほとんどです。そのため男性の共感を呼びにくく、「家族が協力してくれない」というようなこともあったのではないでしょうか?

その点、この本に書かれた内容は男性向けなので、節約嫌いの旦那さんでも興味を持ってくれるかもしれません。

自分から興味をもつように仕向ける

ただ、本の中では「節約は強制されるものではない」という説明もあります。そのため、「この本を読んで」と直接渡しても反発されるかもしれません。

そこでまずは、家族の方から興味をもつように工夫することをおすすめします。家族の前でこの本を読んでみたり、眼につきやすいテーブルの上などに置いてみてはどうでしょうか。

家族が「これなんだ?」と興味をもったところを見逃さず、「結構面白かったよ」などと軽く後押し。そうすれば、意地っ張りな男性にも抵抗なく読んでもらえるかと思います。

この本は、節約とは縁のなかった男性や、お給料をもらい始めたばかりの新社会人におすすめです。けれどこの本を最大限に活かす方法は、「無駄遣いの多い旦那さんに読ませる」ことです。

家族の無駄遣いを止めさせたいとお悩みの場合は、一度この本を読んでみても良いと思います。

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Posted by yayoi