職場に子供を連れてくるのって迷惑じゃない?主に子供の方が。
職場に子供を連れてくるのは、ありか無しか?そんな議論がにわかに巻き起こっている。
働くお母さんが活躍する昨今、子連れで仕事という流れも増えて当たり前なのかもしれない。が、肝心の子供は職場に連れてこられることをどう思っているんだろうか。
中には、仕事場まで連れてこられて迷惑している子供もいるんじゃなかろうか?
せめて託児スペースは作れないのか
先日、熊本市議会で女性市議が赤ちゃん連れで会議に出てきてちょっとした騒ぎになった。この市議は、議会を混乱させたとして処分される可能性もあるという。
この市議はそれまでに何度も、仕事中に子供を預けられるような制度を作って欲しいと訴えていたという。それをOKしてもらえなかったために、結果的に赤ちゃんを市議会に連れてくることになってしまった。
正直、この市議のやり方も強引だなと思った。が、それ以前に、子供を持つ市議のフォローをしようとしなかった熊本市議会にも責任がある。せめて託児スペースくらい用意できなかったのか。
沖縄の北谷町という市議会だと、控え室を保育スペースとして使われることが決まった。会議中は、市議が個人的に依頼したファミリーサポートの職員が子供の面倒をみてくれる。
会議への子連れがダメでも、こうやって子供を預ける場所は作れるだろう。そういうフォローを一切しないのは、市の怠慢だ。
子供はどう思っているのか?
しかし仕事場に連れてこられることを、当の子供はどう思ってるんだろうか。子連れがありか無しかという話題では、いちばん大事な子供の視点が無視されているように思う。
多くの人は「親と一緒にいられる方がいいに決まってる」というだろうが、本当にそうだろうか。なかには退屈な職場に行くより、家で過ごす方がいいという子供もいるんじゃないのか。
(かくいう私は、テレビさえあればいくらでも留守番できる子供だったらしい)
また、子供を職場まで連れて行くとなると、当然ながら子供にも大人並みの通勤をさせないといけない。満員電車などは大人でもストレスが溜まるのに、それを子供に味わわせるのはいいのか。電車の中で子供がグズる気持ちも分かる。
子連れの親が問題になる理由の1つは、子供を連れてこない方がいい場所にまで子連れで来る親がいるからだろう。子供もいい迷惑だ。
「子連れで職場」問題で一番被害をこうむるのは、大人の都合で振り回される子供だ。大人のシステムに子供を合わせるんじゃなく、子供の視点でものを考えてもらいたい。
[ad#kijinaka]
子連れがNGな職場もある
たとえ子連れで仕事がOKな世の中になっても、問題は解決しないだろう。職場のなかには、子供を連れこんじゃマズい場所というのもあるからだ。
私は以前エンジニアの仕事をしていたが、とにかくセキュリティが厳しかった。情報漏えいでもあれば大問題になるから入退室も厳しくチェックされていた。ネットワークサーバー室など、立ち入り制限スペースも多かった。
そういう職場に子供を連れて行こうと思ったら、子連れでもセキュリティに影響がない仕組みを完ぺきに作りあげないと難しいだろう。だったら、オフィスの近くに安全な託児スペースを作る方が早い。
単純に、子供が危険な職場もある。今私がやっている日雇いバイトなどは、その最もたるだろう。
日雇いバイトは、ほぼ100%工場内での仕事だ。いろいろな機械や荷物が並ぶなか、子供を連れて行ったりしたらどんな悲劇が巻き起こるかわからない。
子連れで仕事云々言っているのは、安全なデスクワークで働いている人たちだよなと思う。子供を連れて行きたくても行けないような職場で働いているお母さんがたにも、もっと話を聞いてほしい。
取りあえず、もっと保育所増やせ
そもそも日本は、働く子育て世代の受け皿が圧倒的に足りない。職場に子連れOKかどうか以前の問題だ。
今真っ先にやらないといけないのは、地域にもっと保育所を増やすことだろう。保育所で育児を100%カバーできるとは思わないが、困っているお母さんは激減するはずだ。
幼児教育無償化といっても、その保育園に入れないのでは意味がない。無償化も大事だが、希望する人が全員子供を預けられるくらいの場所を用意するのが先じゃなかろうか。
そのうえで保育園と相性が悪そうな子供は、保育ママなりシッターなり、職場に連れてくるなりの選択肢があるといい。画一的に保育所だというんじゃなく、子供に合ったスタイルを選べるのが理想かと思う。
少子化だ一億総活躍だというが、問題が解決するのはまだ先のことになりそうだ。世の中にはまだ、子育て世代には引っ込んでいてほしいと思っている輩が多い。
こんな状況では、子供を産んで育てたいという人が減るのも当然だ。産めよ育てよというかけ声だけじゃ、人は動かない。