お金で幸せは買える。貧乏でも幸せという人は、本当の貧困を体験したことがあるか?

2018年1月14日

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ミニマリスト界隈でもたまに、「貧乏でも幸せに暮らせる」という話題を見かける。しかしこう言う人は、本当に生活ギリギリの貧乏生活を体験したことが果たしてあるんだろうか。

確かに大金持ちでも幸せとは限らないが、お金があれば幸せになれる層は確実にいる。これは、ギリギリの生活をかれこれ2年近く続ける私の実感でもある。

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収入が上がると幸福度は下がる?

お金がなくても幸せという考え方は、「年収が上がっても幸福度は上がらない」というデータが元になっているんじゃないかと思う。

内閣府の調査によると、年収と幸福度の関係はこんな感じになっている↓

ほぼ右肩上がりのグラフだが、年収800万円以上になると幸福度がガクッと下がる。ブルーの世帯主のグラフだけみると、年収800万円でも1,500万円以上でも、幸福度は大して変わらない。

確かにこのデータは、たとえお金持ちになっても幸せになれるとは限らないと語っている。年収800万以上の暮らしなど全く想像がつかないが、裕福なら裕福なりのしがらみが多いということなんだろう。

また、年収800万以上でも家計が赤字の「隠れ貧困」の問題もある。収入があってもお金にルーズで、知らぬ間に無駄遣いしているパターンだ。大金を稼いでも火の車では、確かにつらかろう。

年収800万円以上VS平均所得以下

いくらお金があろうが、幸せになれない人というのは確かにいる。しかしそんな年収800万以上の世帯というのは、日本全国だとどれくらいいるのか。

厚生労働省の28年度の調査だと、世帯ごとの年収はこうなっている↓

年収800~2,000万円以上の世帯の割合は、全体の20.3%だ。日本の5人に1人は、今より所得が増えても幸せになれない層ということだ。まあまあ多い気がしなくもない。

50%以上が平均年収以下の世帯

しかしグラフを見れば分かるが、平均以下の年収の世帯はもっと多い。同じ調査のなかでも、

平均所得金額(545 万 8 千円)以下の割合は 61.4%となっている。

28概況(所得・貯蓄)

としっかり言っている。800万円以上の世帯の3倍だ。

年収800万円までは、幸福度はほぼ右肩上がりだった。収入が増えればその分幸せになれる世帯が、幸せになれない世帯の少なくとも3倍はいるのだ。

このデータだけ見ても、お金で幸せは買えるんじゃなかろうかと思う。庶民にとって、お金はないよりあった方がいいものだ。

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さらに相対的貧困層は……

さらに平均年収の半分以下しかもらえない、相対的貧困層も増えている↓

相対的貧困とは、年収が貧困線(27年は122万円)に満たない層をいう。平成27年の相対的貧困率は15.6%、17歳以下の子どもの貧困率は 13.9%だ。

これは、日本の6人に1人は1ヶ月10.1万円の収入で暮らしているということだ。生活保護以下の収入である。

貧乏でも幸せになれるという人でも、進んで生活保護以下の収入で暮らしたい人はいないだろう。このレベルになると、高い確率で精神に悪い影響がある。

ユニセフの研究所では、子供の幸福度の指標の1つに「物質的豊かさ」というものがある。このなかには、金銭的な豊かさも含まれるのだ。

平成25年の調査だと、物質的豊かさで日本は30ヶ国中21位だった↓

グラフのうち、赤色が日本である。

ユニセフも、貧困は子供の幸せに影響を与えると考えているのだ。お金は人を幸せにするとは限らないが、お金がなくて不幸せな目にあっている子供は確実にいる。

そしてこれは、子供に限った話ではないと思う。必要最低限のお金がないために、苦しい思いをしている大人もいるはずだ。

貧困はそれだけでストレスフル

私自身も10万円くらいの月収だから分かるが、生活は正直カツカツだ。ものがない一人暮らしでさえ、切り詰めても8万円くらいはかかる。

12月は支出がかさみ、9万円超だった。詳しくはこちら⇒ステラおばさんのクッキー詰め放題に散財。~カレジョミニマリスト・12月の財布事情~

しかもこれは、年金や奨学金を全く支払っていない状況の支出だ。もしこれらも払おうと考えると、後3万円くらいは収入が増えないとキツい。

そういう暮らしをしている人間からすれば、貧乏でも幸せなどというのはケンカを売っているに等しい。ならば、我ら貧困層に余っているお金をくださいと言いたい。

もしそれでも幸せというのは、

・自分で畑を耕したり、畜産をしている

・シェアハウスなど、家賃がとてつもなく安い

・老後や病気になったときのことを全く心配してない

人くらいじゃなかろうか。貧困層の全員が全員、そういう暮らしができるとは思えない。

こういうことを言うと、「貧乏人の甘え」的な声が必ず出てくる。確かに私のように定職につかず、ブログで生計を立てようなどと考えている人間はそうかもしれない。

だが貧困率をみれば分かるが、貧困層というのは必ず一定数は出てきてしまう。努力ではどうにもならない壁が、確かにあるのだ。

貧乏は甘えという人は、ならばどう努力すれば貧困から抜け出せるのか具体的に教えてほしい。今までよしとされてきた努力ではどうにもならないから、貧困のままでいる人が増えているんじゃなかろうか。

お金持ちになっても幸せになれるとは限らないが、お金で幸せを買える人たちは確かにいる。いわゆる「普通の暮らし」もままならない層からしたら、お金はなによりも欲しいものだ。

貧乏でも幸せという人は、年収122万円の暮らしを一回試してみるといいんじゃなかろうか。

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Posted by yayoi