めんどくさいという口癖には、自分の心をみとめるという心理的な効果もある
めんどくさいという言葉は、ネガティブで良いイメージがありません。が、「いったん自分の心を受け止める」という心理的な効果があるのではと思います。
かくいう私も每日のように「めんどくさい」を連呼しています。本当に面倒なときもあるのですが、ときには「面倒」と言いつつもヨッコラと動き出す自分がいます。
「めんどくさい」はクッション役
掃除や洗濯、日々の買い出しなど。細かい用事はキリがありません。そういうときに「ああ、面倒くさい」と言うと、なぜか心が軽くなったりもするのです。
いくら「さあやるぞ」と言ってみたところで、自分の心はごまかせません。特に私のようなズボラは、かえって「無理してる感」が際立つようで余計にしんどくなります。
それよりかはいっそ「面倒だな」という自分の気持ちを認めてしまった方が、楽になります。 そうしていったん、自分の心をしっかり受け止めるのです。
「めんどくさい」という言葉は、いわばクッション役です。一回受け止めればそこで区切りがつき、「さあやるか」と腰を上げられるようになります。
かの名監督も「面倒くさい」が口癖だった
この「面倒くさい」を使って仕事をする人が、世の中にもいました。それは世界的にも有名なアニメーター、宮﨑駿監督です。
宮崎監督は仕事の際「面倒くさい」という言葉を連発しています。そうボヤきつつも、ペンを片手にしっかり仕事をこなしているのです。
「面倒くさいっていうのは、自分との戦いなんだよ」とは、自身の口癖についての、監督の言葉です。この言葉を知って私も「ああそういうことか」と少し合点がいきました。
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いったん受け止めるとやる気が出る
たいがい「面倒くさい」と言うのは、「それでもやらねばならないこと」を目の前にしているときです。面倒でもやらないといけないから、この言葉を使って自分と向き合っているように思います。
前でも少し言いましたが、いったん「面倒くさい」ということを受け止めると、後から「やるか」という気力が湧いてきます。
本来は何でも張り切ってやれれば一番良いのだと思いますが、四六時中エネルギッシュな人は稀です。「面倒くさい」という言葉は、「ここが踏ん張りどころだ」と自分に言い聞かせることなのかもしれません。
逆に自分の心を無視し続けていると、必ずどこかで反動がきます。「面倒なんかじゃないぞ」と粋がるよりも、面倒なら面倒なりに進む方がストレスが溜まりません。
これは孤独な作業ならではなのか?
ただこの「面倒くさい」という口癖。周りで連呼する人がいたら、全体のテンションが下がりそうです。
クリエーターの仕事は基本的に一人作業なので、自分にだけ聞こえるつぶやきであれば人に迷惑はかかりません。これがもしチームでの作業だったら、間違いなくバッシングを受けるだろうとも思います。
「面倒くさい」という言葉を使うときは1人のときにするか、心のなかでボヤくていどに留めておいた方が良いのかもしれません。
宮崎監督はほかにも「世の中の大事なことってたいてい面倒くさい」とも言っています。
確かに面倒なことをやってくれる人がいるから、この世の中はちゃんと回っているのだと思います。「面倒くさい」は使いようによっては、自分を励ます言葉にもなるのではないでしょうか。