ガイアの夜明け、アリさんマークのその後。国は早くブラック企業を対策しろ。

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ガイアの夜明け特別編、不当な労働と戦う人たちの特集を視聴。以前放送された、アリさんマーク問題の続きを観ることもできた。

こういう特集を観る度に、「国は早くブラック企業を何とかせえよ」思う。全く進まない対策をみると、本音では真面目に対策する気なぞ無いんじゃないかと考えずにはおれない。

果たしてアリさんマークの引越社は前回からどんな対応に出たのか、実に気になるところだ。

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アリさんマークVS現役社員

以前ガイアの夜明けでは、アリさんマークを訴えた現役社員の小栗さんのことを紹介していた。今回は、その後の小栗さんの様子を追っている。

小栗さんは元々アリさんマークの営業職で、過酷な長時間労働や不当な罰金を課せられていた。

特に、車をちょっと擦っただけで48万円の罰金を無条件で課せられるというのは実に恐ろしい。そこら辺のサラ金よりも、よほどタチが悪いんじゃなかろうか。

それはおかしいと労働組合を通して会社に訴えたら、「シュレッダー係」という1日中書類をシュレッダーにかけて捨てさせる業務に就かされた。これは実質、リストラ対象のような扱いだ。

私のような不真面目な人間は「シュレッダーだけでお給料もらえてラッキー」と思う。

が、営業の仕事にやりがいと感じていた小栗さんにとっては屈辱以外の何物でもなかった。そこで本格的に、裁判を起こして会社と争う事になったのだった。

ちなみに同じような訴えを起こしているのは、小栗さんだけじゃない。元アリさんマーク社員の数十人もいる。

小栗さん一人ならまだしも、それだけの人数から訴えられるというのは、やはり会社側にブラック的な問題があるということじゃないかと感じる。

控えめに言って経営陣が下衆だった

そうして小栗さんは、一年半以上も会社と戦い続けた。会社の前でデモを起こし、問題を訴えたこともある。

当然会社のエライ人(副社長)が、デモに文句を言うために出てくる。だが、その対応がまたヒドい。「このヤロウ」みたいな罵声を浴びせかけてくるのだが、どこの組の幹部かと思うような威圧的な態度だった。

会社は「小栗さんが不真面目だったからシュレッダー係にした」という主張をしていたが、このエライ人の態度一つ見ても「アリさんマークはヤバい」ということを感じる。これがブラックの本質かと思った。

アリさんマークのアリさんとは、社員を働きアリのごとくこき使う社風をそのまま表しているのか。ブラックジョークが過ぎやしないか。

大体テレビの前や裁判に出てくるのは副社長だったが、他の経営陣は果たしてどんな感じの人達なのか。もしかしたら、副社長を超えるヤバい人たちがゴロゴロしている可能性もある。

そう思うと副社長も、もっと偉い人たちに毎日怒鳴られてピリピリしているのかもしれない。中間管理職とは、実にストレスフルだと思う。

裁判官からも怒られる始末

裁判でも、小栗さんをなぜシュレッダー係にしたのかという問いかけがあった。

ここで面白かったのは、公平なはずの裁判官が「制裁に見えるんだけど」と会社側に言っていたらしいということだ。これは会社と小栗さんの両方の意見を聴き比べても、会社の方が明らかにオカシかったという事なんだろう。

裁判で不利になると、会社は小栗さんを営業に戻す和解案を出してきた。しかしそれは、会社の車を使わず、自転車や電車を使って営業に回るというあんまりな条件だったのだ。

私は始めて知ったが、引っ越しの営業は日頃からダンボールを大量に持ち運ぶものらしい。それを自転車や電車でのみ回れというのは、ほぼ「会社辞めろ」と言っているのに等しいんじゃなかろうか。

この期に及んでも「営業に戻してやっても良いぞ」という偉そうな態度を取る会社は、一体何を考えているのか。こんなふざけた和解案を出しても、自分たちが不利になるのは目に見えているはずだ。

もはや冷静な思考ではなく、「小栗さんに負けたくない!!」という意地だけで裁判をやってるんじゃないか。そんなことも感じずにはおれなかった。

小栗さんは社員の鏡過ぎる

結局その後、会社側は改めて和解案を出してくる。それにより、小栗さんは無事に以前と同じ待遇の営業職に戻ることが出来た。まだ残業代などの裁判は続いているが、一つの決着がついた形だ。

小栗さんは営業に戻る初日、「ワクワクしている」「早くお客さんに会いたい」と言っていた。やはり、営業という仕事にやりがいを感じてたんだろうと思う。

私なら会社から不当な待遇を受けた時点で、頼まれても営業になど戻りたくない。ネットに今までの不当な待遇を全部ぶちまけて会社を辞め、そのうえで賠償金などをぶん取るために裁判を起こすだろう。

しかし小栗さんは1年以上もシュレッダー係として耐え続け、営業に戻ってきた。これは、本当に会社のためを思ってないと出来ないことじゃなかろうか。

会社としては、裁判を起こす社員など裏切り者と同じなのかもしれない。が、小栗さんは会社を信じているからその道を選んだんだろう。もっと会社は、そういう社員を大事にしなきゃいけないんじゃないかと思う。

ブラック企業はなぜ無くならないのか

しかしアリさんマークの件は、氷山の一角。まだまだ無数のブラック企業があるに違いない。

なぜ、ブラック企業やブラックバイトが無くならないのか。それは、我慢が美徳という考え方が未だに根強いからじゃないかと思う。

特にブラック企業で頑張る人ほど、もっと頑張らなきゃという意識が強い気がする。会社側は、そいう人の善意に浸け込んでいるんだろう。

昔はそれでもギリギリ許されていたのは、高いお給料と安定した雇用があったからだと思う。しかし今は、都合が悪くなればバッサリ切り捨てられる。我慢をしても、その先に希望が全く無い。

とにかく昔ながらの、「我慢せえよ」みたいな根性論はもういらない。立場の弱い人に、我慢を強いることは止めてもらいたい。

小栗さんみたいな社員は、きっとまだどこかにたくさんいるんだろう。アリさんマーク問題をきっかけに、不当労働の問題にもっと光が当たってほしい。

そして国には、もっと真面目に現場の人の意見を聞いて、ブラック企業を厳しく取り締まってもらいたい。

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Posted by yayoi