残して死ねないデジタル遺品、一人暮らしカレジョが考える死んだあとの対策
近年ますます増えている、デジタル遺品のトラブル。家族がいる場合はもちろん、一人暮らしでも死んだあと困るのは確実だ。
かくいう私も、仕事でもプライベートでもデジタル漬けの毎日を送っている。これまでマジメに考えてこなかったが、少しは対策しておかないとマズい。
デジタル遺品の取り扱いを遺言しておく
遺品の取り扱いについては、あらかじめ遺言しておくのが安心か。基本はデータを削除してもらえばそれで解決だが、残してほしいものは書き残しておかないと高確率で消されてしまうだろう。
私はとくに残したいものもないので、削除してもらえばそれでいいやと思っている。自分で消せるものはあらかじめ消しておくのがいいかもしれない。
念のためパソコン・スマホのパスワードは残しておく
遺言には、PCやスマホのログイン用パスワードも一緒に書き残しておくのがいいかと思う。親族が死んで後、ログインできないスマホだけが残されて困るケースも増えているからだ。
とりあえずログインさえできれば、端末内に残されたデータを手がかりに他の遺品へアクセスすることもできるだろう。最低限の情報すら残されていないと手の打ちようもない。
問題はどこにパスワードを書いておくかだが、専用のノートでも買うのが安全かつ簡単そうだ。付箋ではどこかへ紛れやすいし、スマホ内のメモ帳では意味がない。私も自分の確認用にPC内にパスワードを書いたメモ帳ファイルを作っているが、プリントアウトしてノートに貼り付けておくといいかもしれない。
壊せるものは壊す
SDカードやPCのハードディスクなど、物理破壊できるものは壊してしまう。水に5分も浸けておけば完全にご臨終してくれるだろう。乱暴なことはしたくない人向けに、ハードディスクを使えないように壊す削除用ソフトなんかもある。
クラウド保存のデータは?
PCやスマホ内のデータは物理破壊で済むが、今はネットの時代だ。ネット上のデータも、放ったらかしにしておけば悪用されかねない。私もそうだが、googleフォトを始めとするクラウドサービスを使っている人は多いかと思う。
調べてみたところ、googleは万が一に備えて「アカウント無効化管理ツール」を用意していた。これは、一定期間アカウントの利用がなかったとき自動でアカウントを無効化してくれるツールだ。
無効化ツールの使い方
私もこの機会に、ツールを使ってみることにした。まずはアカウント無効化管理ツールにアクセスし、「開始する」をクリック↓
次に、アカウント無効化までの期間を選ぶ↓
期間は「3ヶ月・6ヶ月・12ヶ月・18ヶ月」の4つ。期間が短いとアカウントの存在を忘れたときにも無効化されそうなので、12~18ヶ月が安全じゃないかと思う。私は12ヶ月にしておいた。
だがアカウント無効化の前には、確認の連絡もくれるので安心だ。連絡用の電話番号とメールアドレスに、再設定用アドレスも入力する↓
入力したら「次へ」をクリック。
アカウントが無効化されたとき、家族や知人にお知らせする機能も↓
離れた家族の見守り代わりにもなりそうだ。だがアカウントを無効化するだけなら、とくに設定しなくてもいいかと思う。
最後に、無効化したアカウントのデータを削除するかどうかを設定↓
自分が死んだ後きれいサッパリデータを消したいときは、ONにする。だが削除されたデータは元に戻せないので、設定は慎重に考えたい。私はOFFのままにしておいた。
最後に内容を確認する↓
大丈夫なら「プランの確認」をクリック。これで無効化ツールが有効になる。
googleに預けてある大量データも、これでひとまず安心だ。googleメインで使っている人は、万が一に備えて有効化をおすすめしたい。
ネットのアカウントは大丈夫?
google以外にも、ネット上のアカウントをいくつも持っているはずだ。これらもちゃんと対策しておかないとなと思う。
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銀行などの金融系
ゆうちょや銀行の口座は、自分が死んだ後に家族が届け出すれば凍結できる。預金が残っている場合は相続の手続きもできるが、残高の確認など照会がいるようだ。
遺族がいれば手続きもできるが、孤独死の場合はとくに手続きもないまま放っておかれる。10年放置した口座は休眠口座となり、預金は実質的に銀行のものになってしまうようだ。ちょっともったいない。
使う口座が多くなれば、その分死んだ後の手続きは面倒になる。メインで使う口座は、引き落とし用と貯金用の2つていどにとどめておくのが安心じゃなかろうか。
ネットサービス系
Amazonなどのネットショップ系は、本人が死んでもそのまま残る。遺族に削除してもらうしか手がないので、遺言ノートにその旨を書いておくのが確実だ。
ネットショップ系のアカウントは、そのままにしておくと不正アクセスで悪用される恐れもある。生きているうちにログイン対策などをしておいた方が安全だ。
ネットショップに限らず、アンケートサイトなどのサービスも登録内容をチェックしておきたい。メールアドレスだけならまだしも、住所まで登録してあるアカウントもあったりするので油断ならない。
一番いいのは、生きているうちに使っていないアカウントは消すことかと思う。やはりメインで使う数個に絞っておきたい。
SNS系
日常に密着したSNS系は、死後のアカウントについてしっかり対策を考えていた。主なSNSの手続きはこちら↓
・Google→死去したユーザーのアカウントに関するリクエスト
・Twitter→プライバシーポリシーについてのお問い合わせ
・Facebook→亡くなった方のアカウントの特別なリクエスト
・Instagram→亡くなった方のアカウントの削除要請
(ただし削除には故人の死亡死亡診断書と近親者である証明が必要)
・LINE→第三者によるアカウントの削除・譲渡は行っていない
(ただし1年以上ログインのないアカウントはLINEが独断で削除できる)
FacebookやInstagramは、故人のアカウントを「追悼アカウント」とすることもできる。追悼アカウントはログインや内容変更ができなくなるので、不正アクセスの心配はなさそうだ。アカウントを残す場合は追悼アカウントの依頼を出そう。
その他のSNSサービスは、個別の削除依頼にそのつど対応するスタンスがほとんど。登録してあるアカウントはノートに記録しておくのが安心だ。
ブログなど
企業が提供するサービスは対応のしようもあるが、個人がやっているブログなどはどうなるか。ブログ自体はレンタルサーバーやドメインの料金が払われないとそのまま消されるだろうが、ドメインは中古ドメインとしてネット上に出回ることとなる。そして放置された中古ドメインは、高確率でスパム利用されるのだ。
ちなみに私が使っている「Xサーバー」と「Xドメイン」は、名義の譲渡と登録情報の変更により遺族が引き継げるようだ。だが譲渡には戸籍謄本や印鑑証明書など各種書類が必要なので、手続きはちょっと面倒くさい。その後の料金はもちろん遺族がを払わないといけないので、ここは無理強いできないだろう。
ドメインを引き継いでも、ブログ自体への不正アクセスによりスパム利用される危険性もある。IDやパスワードは複雑にしておかないとマズい。
見られちゃマズいものは消しておく
ここまで対策方法を色々考えてきたが、自分が死んだ後では遺族に任せて全て消してもらうのはやはり難しい。見られちゃマズいもの、残しておくと危なそうなものは、生きているうちに自分で消すのが一番安全なんだろう。
だが手当たり次第にアカウントを作っていると、どこにどんな登録をしたか自分でも分からなくなってしまう。私もだが、たくさんアカウントを持っている人は一度アカウントの点検をするのがいい。
昔にはなかったデジタル遺品問題、これからますます増えることだろう。私が年寄りになる頃にはどうなっているんだろうか。
人間いつ死ぬか分からないものだ。今から対策できることはしておこう。