あなたが捨てたいのに捨てられない理由。自分の中の物語が断捨離できなくさせる。
捨てたいものがあるのに、なぜ捨てられないのか?その理由についてお話します。断捨離がなかなか進まないのは、その人の中にある「自分だけの物語」のせいかもしれません。
実際に捨てられないのは「もの」ではなく、「物語」の方です。ものに対して、あれやこれやと色々なサイドストーリーを盛り込んでしまうのが問題なのではないでしょうか。
ものは単なるものでしかない
もの自体は、どこまで言っても単なるものでしかありません。ものを「もの以上の存在」にするのは、ほかならぬ私たちの心。ものの価値は、個人がそれぞれ勝手に決めたものです。
例えば私の場合、ゲームやアニメなどのオタクグッズを後生大事に持ち続けています。が、オタク文化に全く興味のない人から見れば、単なるガラクタでしょう。
物質的に見れば、フィギュアはプラスチックの塊。ゲームソフトやゲーム機は、プラスチックと金属の集合体です。そこに価値を見出し愛着を湧かせているのは、私自身の心なのです。
特に趣味のグッズや思い出の品は、背後にある物語が大きくなります。こんまりさん風に言えば、「ときめき度が最も高い部類」に入るものです。
懐かしのセーラー服など、制服も捨てにくいものの1つではないでしょうか⇒思い出の詰まった制服や、学生服の断捨離が簡単になる方法
自分の中にストーリーがあるものほど、人は大事に使います。ものに勇気をもらう、癒やされるのも、自分の心と深く結びついているからにほかなりません。
物語が捨てたい心をストップさせる
ものの中にストーリーがあること自体は、良くも悪くもありません。問題は、「余計なもの」にまでストーリーを作ってしまうことです。
物語は、自分の心と結びついています。「物語を持ったもの」を捨てるのは、自分の心まで捨てること。自分の一部を捨てるのは、単純にものを捨てるよりも大きなストレスがかかるのです。
ものを持つことで本人が満足しているなら、それは大丈夫です。厄介なのは持ち主自身が困っているのに、ストーリーが断捨離を邪魔することにあります。
捨てたい気持ちはある。けれど、自分の中のストーリーは捨てられない。2つの心の間で板挟みになることが、捨てられない悩みを深くする原因なんじゃないでしょうか。
特に「不安」は、色んなストーリーを生み出しやすい感情。予測のできない未来に対して、人の頭と心はなぜかフル回転をしてしまうようです。
かくいう私も、断捨離は「自分の中の不確かな物語」との熾烈なバトル。「この限定版は貴重だから、手放したら二度と手に入らないかも」。そんなこと捨てられないのはしょっちゅうです。
不要品を燃えるゴミにするのが偲びなくて、有料リサイクルを使ったことも……。その様子はこちらから⇒断捨離した不要品の処分に、買い取り王子の宅配リサイクルを利用して感じたメリット
使えるものをゴミにしてしまうと、何だかとても申し訳ないような気分に。これも多分、自分の中の物語なんだと思います。ともすると、捨てたものの悲痛な声まで聞こえてきそうです。
大量のトイレットペーパーのストックも、大して着ない服を断捨離できないのも、全て「自分の中の思い込み」の仕業。一人歩きする物語が、ものの価値を実際の何倍にもするんじゃないでしょうか。
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いったん冷静になってみる
捨てられないストーリーにこれ以上振り回されないためにはどうすれば良いのか?それにはまず、いったん冷静になってみることです。それが無くなったら本当に困るのか、一度考えてみてください。
日用品の類であれば、また買い直せば済む話。冷蔵庫が空になっても、スーパーもコンビニもあります。家の食料が尽きても、すぐに飢え死ぬ確率は低いです。
ものがなくなった後に起こる「事実」だけを、冷静に考えてみる。すると、自分を縛り付けていたほとんどの要素が「架空の物語」なのが分かってきます。
事実だけに注目するのは、不安を乗り越えるときにも使える方法です。詳しくはこちら⇒断捨離中にものを捨てるのが不安なとき、恐れを取り除くための5ステップ
捨てられないものの裏には、どんなストーリーが隠れているのか?ストーリーの中身が分かると、自分の心に折り合いが付けやすくなります。
私の場合「捨てたら後悔するかも」「ものをゴミにするなんてもったいない」という思いが強いです。趣味のグッズであれ洋服であれ、断捨離のときには絶対に出てきます。
しかし実際に断捨離して、心の底から後悔したものはないです。貴重なオタクグッズもいくつか断捨離しましたが、「何故捨ててしまったんだ」と床をのたうち回るような事態にはなりませんでした。
私の経験則では、「これは処分できそう」と少しでも思ったものは断捨離しても後悔しないです。この時点で、ものへの執着がほとんど無くなってるんだと思います。
洋服やまだ使える日用品はできる限りリサイクルすることで、「もったいない」心を納得させる。着る予定のないTシャツなんかは、掃除用のウエスにして使い切ります。
ウエスは、拭き掃除に便利な布切れのこと。おすすめの使い方はこちらから⇒トイレ掃除から窓拭きまで、シンプル派には簡単で万能なウエスがおすすめ
自分の中のストーリーに、「でも」と反論してみたり「これならどう?」と対案を出してみる。すると、自分の心も納得しながら断捨離ができるようになります。
ものを実際に大きく見せているのは、私たちの心にあるストーリーです。ストーリーがあるから、人はものを大事にします。反面、余計に執着もしてしまうのです。
断捨離の前に色々と考えてしまう人は、一旦思考をストップさせてみてください。大事なのは、目の前のものが「本当に自分に必要かどうか」。物語を外して考えると、案外簡単に捨てられるものです。