【奨学金破産直前】私が借金を返せなくなるまでの道のり~カレジョの黒歴史~
奨学金が返せず、破産する人が増えているという。私も150万円超の返済額を抱える身として、これは他人事じゃない。
さらに今は貧乏暮らしで、奨学金を返すどころの話じゃない。これから奨学金を借りようか考えている人の参考に、奨学金を借りてから返せなくなるまでのリアルな道のりを紹介したい。
私の奨学金ストーリー
私が奨学金を借りたときの、大学などの情報は以下↓
・実家ぐらし
・私立の理系大学
・学科は情報工学系
・大学時代の約3年間
・一種(無利子)、二種(有利子)両方借りている
当時、借金という感覚はなかった
私が奨学金を借りたきっかけは、親に「奨学金に申し込んで」と言われたことだった。当時の私には、「大きな借金を抱える」という感覚はなかった。
奨学金の説明会は、大学の教室の1つで受けた。私のほかにも数十人以上が、説明会に参加していた。
よく「考えもしないで借りた人の責任」というが、確かに深く考えて奨学金を借りた学生はどれくらいいただろうか。説明会での説明でも、そこまで重苦しい話はなかったように思う。
少なくとも私は、大学を卒業したら働いて返していけると当たり前のように思っていた。将来貧乏になって奨学金が返せなくなるなどと、借りるとき心配する学生はほとんどいないだろう。
バイトはせず勉強していた
ちなみに学生時代は、バイトなどもほとんどせず勉強ばかりしていた。サークルにも参加せず、遊ぶ友だちもなく、一人黙々と図書館の机に向かっていたのである。
実家ぐらしだったおかげで、奨学金だけでなんとか大学生活は過ごせた。一人暮らしだったら、奨学金も借りてバイトもしての苦学生になっていただろう。正直、卒業までその暮らしを続けられる自信は今も昔もない。
卒業後は職を転々と
しかし、働きながら奨学金を返すという私の予定は、もろくも崩れ去った。100年に1度の不況、私自身の適応力のなさなどが重なり、まともに働いてお金を稼ぐことができなかったのだ。
私の経歴はこんなかんじ↓
・卒業後、不況のあおりで新卒入社のエンジニア派遣会社をリストラ
・バイトをしつつ、再びエンジニアとして就職
・だが1年後、勤務オフィスが変わったのをきっかけに退職
・再びバイトでしのぐが、勤め仕事自体が嫌になる
最初は不幸なめぐり合わせで会社をクビになり、そこからまともな職につくことができなかった。新卒でつまづくと、後がヒサンである。
詳しい話はプロフィールで紹介中⇒私はこうして枯れていった。カレジョ・弥生の七転八起なプロフィール
一人暮らし、貯金を崩して返済
勤め人が無理だと実感した私は、文章で稼ぐ道を選んだ。その後、収入が安定しないまま一人暮らしを始めた。幸いにしてエンジニア時代の貯金がいくらかあったので、なんとかなるだろと考えたのである。
一人暮らしを始めて一年くらいは、マジメに奨学金も返し続けた。貯金を崩して、借金返済に充てる日々である。
コツコツ頑張ってれば収入も増えるだろうとタカをくくっていたが、現実社会は甘くない。月収6万前後から、収入が上がらなくなった。そんな状態が、もう1年近くである。
貯金も尽きて返済猶予中←今ココ
当然ながら毎月赤字で、このままだと破産である。そこで今は奨学金の返済を猶予してもらって、ギリギリの生活をしている。
今はライター業に加えて、週2~3日のバイトも始めた。多少はマシな生活になったが、奨学金を返すなどまだまだ考えられない経済状況である。
返済の猶予は単なる時間稼ぎだから、根本的な解決にはならない。このままだと私も、奨学金破産者の仲間入りは確実である。
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親子で奨学金破産しないための対策
世間で問題になっているのは、子供の奨学金返済が親にまで降りかかることである。親子ともに自己破産という、哀しすぎるケースが急増している。
そんな親子破産を避けるために、最低限できることも紹介したい↓
今は機関保証があるから安心(?)
奨学金を借りるには、保証人が必要だ。奨学金の保証人を親にしてしまうことで、親子破産という悲劇は生まれる。
確かにひと昔前は、自力で保証人を用意しないといけなかった。だが今は、機関保証という制度のおかげで保証人がいらなくなったのだ。
機関保証とは、奨学金を借りた人が返せなくなったとき、代わりに機関が肩代わりしてくれるというものだ。これなら、親に借金がふりかかることもない。
ただ機関保証は、月数千円の保証料が奨学金から差し引かれることになっている。年間だと数万円にもなるから、地味に高い。これがいやで、親を保証人にする人も多そうだ。
ちなみに私は機関保証に入ったので、自己破産しても実家に迷惑はかからない。今思うと、入っておいて本当によかった。
機関保証の説明は、奨学金の説明会でも詳しく聞ける。万が一のことを考えると、やはり入っておきたい制度だ。
返還の猶予はしていないのか?
今の時点で奨学金を返せなくなっても、破産はまだ早い。奨学金には、返済猶予の制度があるからだ。ちょっと前にも言ったが、私も今は返済を猶予してもらっている。
奨学金を猶予した話はこちら⇒経済苦を理由に、奨学金返済の猶予願いを申請。手続きが終わるまでの数ヶ月の道のり。
10年限定というのがネックだが、猶予の間は奨学金に悩まされずに済む。この間に、己の生活を立て直すこともできる。
返済を猶予するには、学生支援機構に色々な書類を出さないといけない。詳しくは、返済猶予のページでチェックしてみてほしい。
ちなみに猶予だけでなく、半分だけ返す、1/3だけ返すという減額返還もある。少しなら返せるという人は、こちらの制度でもいいと思う。
借金の恐ろしさをちゃんと教えた方がいい
奨学金は立派な借金なのだが、借りるときに「これは借金ですよ」という説明はほとんどなかった。ただ、経済的に苦しい学生を助けるシステムですよと言われただけである。
だが就職できるかも分からない学生が、何百万円も借金を背負うのは大事だ。借りる前に、返せなくなったときの恐ろしさはしっかり教えた方がいいんじゃないか。
奨学金が返せない恐ろしさを知れば、やすやすと大学に進学しようと考える若者も減るだろう。取りあえず奨学金で進学させるというのは、学校側も無責任じゃないのか。
たとえ大学じゃなくても、専門学校で手に職を付ける道、働きながら勉強する道など、色々な可能性はある。そういうものを、もっと広く紹介する場を作ってほしい。
また、奨学金は、学校を卒業したあと勤め人になることが前提のシステムだと私は思っている。大半の人はそのレールに乗っかれるんだと思うが、私のような社会不適合者はどうしようもない。
もう終身雇用の時代は終わっているのに、未だに会社に入る以外でまとも稼ぐ道がないのが日本だ。会社で働けない人間でも、なんとか仕事を得る道を増やしてほしいものだ。
奨学金を返せなくなるのは、誰にでも起こりうることだ。やはり、気軽に若者に借金をさせるシステム自体に無理があるんじゃなかろうか。
お金の問題で勉強したい人が進学できないというのも問題だが、その後で借金地獄に悩まされるのも問題だ。奨学金を借りた後、就職まで支援してくれる制度も必要かもしれない。
軽い気持ちで借りると、あとが怖い。奨学金を借りる前には親子でちゃんと話し合って、じっくり決めてもらいたい。