お月見料理の定番食材、里芋に含まれる栄養素や健康への効能とは?
9月といえばやはり十五夜のお月見です。お月見では、里芋を使った料理を食べるのが定番とされています。
十五夜は「芋名月」とも呼ばれ、収穫した芋を食べるという風習があるようです。確かに満月と里芋は、色や形がそっくりです。
里芋というと少々地味な食材に思われがちですが、栄養面や健康面でとても優れた効能がありました。
里芋のぬめりは貴重な健康成分だった
里芋というと、特徴的なのは「表面のぬめり」かと思います。あれは「ガラクタン」「ムチン」という、2つの成分が元になっています。
ガラクタンの方は、主に寒天にも多く含まれる栄養素。ムチンの方は納豆などネバネバした食べ物に多いタンパク質の一種です。
この2つの食物繊維には、健康や美容に嬉しい成分がたくさん詰まっていました。
ガラクタンの効果
まずは、ガラクタンの効能から見ていきます。
血液をサラサラに
ガラクタンには血液中の脂肪やコレステロールを抑え、ドロドロ状態からサラサラにしてくれる効能があります。
ドロドロ血液は生活習慣病だけでなく、女性には大事な生理にも大きな影響があるものです。血液がドロドロだと月経血が排出しにくく、子宮に負担がかかるのです。
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夏場は汗をかくので、よけいに血液がドロドロになりやすいです。こまめな水分補給と共に、里芋のようなサラサラ効果のある食べ物を摂るのも良い対策だと思います。
ボケの予防
さらに嬉しいことに、ガラクタンには脳細胞を元気にする働きもあると言われています。この働きが、痴呆(ボケ)を予防してくれるのです。
ただ、老いからくる脳の衰えには効果があるようですが、アルツハイマーなどの認知症の予防効果はハッキリしません。病気予防というよりは、アンチエイジング目的の方が良さそうです。
おひとりさま暮らしが続きそうな私にとっても、頭をシャキッと保つことは最重要事項とも言えます。あまり興味のない食材でしたが、たまには里芋料理を食べるのも良いかもしれません。
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ムチンの効果
そしてもう1つのぬめり成分、ムチン。こちらは、身体作りや内臓をサポートする効果があります。
筋トレに効果的
ムチンは、タンパク質の吸収を助けてくれます。このため肉や魚と一緒に食べると、より丈夫な筋肉を作りやすくしてくれるのです。
そのため筋トレのときに一緒に食べたり、体力が落ちてくるアラフォー・アラフィフ世代にも人気がある栄養成分です。
筋トレをする人はよく、運動直後にタンパク質を摂って筋力をより強化しようとします。ウォーキングやジョギングの後のご飯には、里芋や納豆などをどんどん食べると効果が倍増しそうです。
胃腸のサポート
さらにムチンのネバネバには、胃腸の壁を守ってサポートする働きがあります。胃腸や鼻の奥などは、粘液で覆われて保護されています。ムチンはこの粘膜の働きを強めてくれるのです。
胃腸を胃酸などから守るのはもちろん、鼻や目の粘膜は風邪や花粉症の予防にとても大事な役割りを持っています。乾燥しがちな冬場などは、ネバネバ成分で免疫力アップが期待できます。
私も胃腸が弱く、ストレスの影響がダイレクトに胃腸へ出ます。ストレスに負けないためにも、ネバネバ成分はもっと摂った方が良さそうです。
その他の効能
里芋の栄養は、ぬめり成分だけではありませんでした。ほかにも、女性に嬉しい効果があります。
むくみ改善
里芋には、カリウムが多く含まれています。カリウムは体内のナトリウムを外に出す働きがあり、むくみ改善に効果があります。
むくみの大きな原因は、水分と塩分の摂り過ぎです。塩分に含まれるナトリウムイオンが、余計な水分を溜め込むことで起こります。カリウムを摂ることと一緒に塩分を控えると、よりむくみ対策になります。
アンチエイジング
里芋の皮に含まれるリグナンというポリフェノールは、女性ホルモンと似たような働きをします。またポリフェノールの抗酸化作用で、身体を若々しく保つ効果もあります。
「里芋って皮ごと食べられるの?」と思う人も多そうですが、調理法によってはイケます。丸ごと揚げたりこんがり焼くと、皮もパリパリになって美味しく食べられるようです。
私も皮むきが面倒な人間なので、丸ごとで良いならそれが一番です。フライドポテト感覚で食べれば良いのかもしれません。
お月見にちなんで里芋のことを色々調べたら、なかなかに奥の深い食材だと分かりました。
最近は同じレシピばかりで代わり映えしない食卓でしたが、里芋が加わればもっとバリエーションが出せそうです。