防災用非常食の限界はどこ?賞味期限から16年過ぎた乾パンは食べても大丈夫か
今回は防災用非常食の賞味期限について、その限界を考えます。乾パンなどの非常食は、一体どれくらいまで持つのでしょうか?
なかには、ずっと放置された非常用の缶詰が家にある人もいると思います。長らく放置された非常食は安全なのかどうか、ここは1つ確かめてみたいところです。
問題の乾パン
私が非常食について考えるきっかけとなったのが、こちらの乾パンです。
一見普通の乾パンですが、問題は製造年月日です↓
20世紀から、次の時代まで持ち越された乾パン。私が子供の頃に作られ、実に製造から21年。賞味期限にして16年も経っています。
普通に考えればアウトなのですが、相手は未開封の缶詰、しかも傷みにくそうな乾パンです。
「これは、意外といけるんじゃあないのか?」。そんな私のもったいない心が刺激されました。
実食
20年ものの乾パンを食べるというのは、なかなか無い機会です。早速フタを開けてみます。
見た目はいたって普通。嫌な匂いがするということもありません。1つ取り出し、思い切って口に放り込みました。
何の変哲もない乾パンだ。
香り、風味、どれを取っても普通の乾パンでした。事情を知らない人が食べても、恐らく賞味期限を10年以上も過ぎた代物とは思わないでしょう。
一緒に入っている氷砂糖も食べてみましたが、こちらも特に異常はなし。ちょっとした糖分補給になりました。
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その後冷蔵庫で保存
最初は美味しく食べていたのですが、半分ほど消化したところでお腹がいっぱいになってきました。そこで今度は、開封後の缶詰を保存してみることに。
ビニール袋に入れた状態で冷蔵庫に入れ、一晩放置。翌日、改めて食べてみました。
やはり、普通の乾パンだ。
開封後1日くらいなら、たとえ賞味期限が16年過ぎていても何とかなるようです。結局1缶丸ごと、美味しく食べきることができました。
なぜ乾パンはこんなに持つのか?
問題の乾パンの実食が、4月の始め。もうすぐ2ヶ月になりますが、私はいたって普通に過ごしています。お腹を下す、気分が悪くなるなどの食中毒的な症状は出ていません。
15年以上経っても、傷みもほぼない乾パン。唯一使われている保存料は、乾パンの酸化を防ぐ「脱酸素剤」のパケットだけです。乾パン自体には、防腐剤などは一切入っていません。
缶の中の脱酸素剤は、乾パンに使われるマーガリンやショートニングの酸化を防ぐためです。これがなければ、乾パンはもっと早くダメになるだろうと思います。
子供やお年寄りは注意
ただ、子どもやお年寄りなど、胃腸が弱い人は止めておいた方が良いです。場合によっては、酸化した油で食中毒を起こす危険性があります。
実際10年くらい昔、地域の避難訓練で乾パンを食べて食中毒を起こした例があるようです。これは賞味期限前だったにも関わらず、具合を悪くした人が出たのです。
保存場所などによっては、缶詰でも傷みが早まるのかもしれません。乾パンを保存するときは、「日陰で涼しい場所」などを選ぶのが安全かと思います。
今回は無事でしたが、これは私の運が良かっただけかもしれません。そもそも賞味期限が切れる前に食べれば、「傷んでるかどうか」など気にする必要もなくなります。
普段の買い物でも非常食でも、食べきれる分を計画的に持つ。食べ物を無駄にしないためにも、今後はこの基本を徹底しようと思います。