お金を備えて将来の不安を解消しよう。上田惣子さん著「自営業の老後」感想。

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フリーの自営業にとって、老後のお金は頭の痛い問題です。そこで、今話題の「自営業の老後」を読んだ感想を紹介します。

著者の上田惣子さんは仕事歴25年のイラストレーター、私にとっては自営業の大先輩です。20年以上も仕事をしているとのこと、尊敬します。

しかしそれでも、老後の不安は消えず。これまでは真面目に仕事していれば一生働けると思っていましたが、自営業にとってそう世の中は甘くはありませんでした。

このまま仕事を続けていて、本当に老後を安心して暮らせるの?そんな不安の乗り越え方を、本からしっかり学びます。

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自営業にもリストラがある?

私が何よりウッとなったのが、上田さんが50歳を間近に控えたある日、急に仕事が減ったというくだり。そのまま年収は半分となり、、ついには1/3にまで落ち込んでしまったとありました。

これまで私は、定年無く仕事できるのが自営業と考えていました。文筆家を一生の仕事と決め、死ぬまで文章を書こうと思っていたのです。

しかしそれも、自分の文にニーズがあってこそ。世間から価値が無いと思われたら、書きたくても書く場所が無くなります。

仕事が無くなったら終わりという意味では、自営業にも定年やリストラはあるのです。そんな基本的なことが、頭から抜け落ちていました。

お金が無いことも辛いけど、自分が必要とされなくなることが何より辛い。上田さんは本の中で語っていました。次元が違いますが、私もブログのアクセスが伸びないとき「誰も自分の文なんて興味ないんだな」と、とても哀しくなってきます。

自分の好きなことで生きていくというのは、実は大変で苦しいことなんだなと、上田さんの姿を見て思い知りました。

が、仕事があろうがなかろうが、絶対に老後はやって来るもの。老後の備えが無ければ、還暦にして路頭をさまようハメになります。

収入が不安定で、将来の保障もない。そんな自営業の不安を本当に解消できるのか、全く他人事とは思えませんでした。

上田惣子さん著・自営業の老後↓

生涯収支を出そう

ただ不安だ不安だと言っても、不安は無くなるはずもなし。本には、何がそんなに不安なのか、まずは目で見えるようにすることが大事とありました。

そのために効果的なのが、生涯収支を出すことです。

生涯収支というのは、生きている間にいくらお金が入ってきて、いくらお金が出ていくかを計算したもの。確か先日も、参加したお金のセミナーで生涯収支の大切さを教えられました。

私が参加したライフプランニングセミナーの話はこちら⇒お金から考える30代女の人生設計。ライフプランニングに必要な3つのポイントとは?

具体的な数字が出ると、そこからどうするのか考えられます。ただガムシャラに、貯めよう・支出を削ろうというプレッシャーが無くなるのです。

もし収支が赤字でも、どこで折り合いを付けるかなど対策を立てることができます。仕事を増やす、生活を引き締めるなど、収支のバランスがゼロに慣れば一安心です。

私も生涯収支を一度は計算して見たいなと思っていますが、そもそもまだ売れてないという大問題があります。老後どころか、半年先の未来も見えません。

(いい加減、今年の年末くらいには安定した生活を手に入れたいです)

ただ収入が分からなくても、出て行くお金なら分かります。まずは、自分の人生にいくら必要なのかを先に計算して見ても良いかもと思いました。

老後の年金と退職金はどうするか?

さらに、具体的に自営業が老後に備える方法もしっかり紹介されています。

やはり基本は、国の年金や保険料。今話題の、確定拠出年金の紹介もありました。私も滞納している年金を払ったら、真っ先に始めたいです。

私が滞納している年金と奨学金の話はこちら⇒現在の借金、約300万円。奨学金と年金が両肩に重くのしかかる、枯れ女の現実

その一方で、こんな制度があったのかと始めて知った事も。それが、小規模企業共済です。

小規模企業共済は、自営業者が廃業するか65歳になったとき、それまで積み立てたお金を貰えるというもの。自営業者が退職金の代わりに使う、定番の制度です。

小規模企業共済の話はこちらでも⇒毎月の生活費が赤字の一人暮らし女が考える、家計の対策。

積立金の最低金額は、なんと月額1,000円から。これなら、貧乏な自営業でも気軽に始めることができそうです。早速資料を頼んでみたので、どんなものかじっくりチェックします。

保険も国保など国の制度を使う

病気やケガをしたときの保険に関しても、基本は国民健康保険など国の制度で。残りの不安な部分を民間の保険でカバーするのが、一番節約になるとのことでした。

私は民間の保険は使ってませんが、親が入ってくれていた都民共済に加入中。今のところは、都民共済と健康保険で何となるんじゃないかと思っています。

フリーの保険の話はこちらでも⇒一人暮らしに手厚い保険は必要ない。老後の生活費で削れる部分を探せ。

しかし今は、東京から飛び出しての神奈川住まい。早めに神奈川の共済に移る手続きをしないといけません。もし今病気や事故にあったら、保障が受けられないのかと大いに不安です。

税金の問題も見逃せない

なぜ、民間よりも国の制度を優先させるのか?それは国の制度の方が、税金が免除されるなどのお得があるからです。年金も保険料も、払った分だけ所得から差し引くことができます。

さらに毎年の確定申告もしっかりやることで、税金を大幅に節約。私もライターを始めた翌年に、青色申告するための手続きに行った思い出があります。

青色申告の手続きと、自営業の開業届けを出しに行った話⇒節約の肝、税金対策。期限ギリギリに慌てて個人事業主開業届と青色申告の申請した話

そして2017年の2月に、初の確定申告へ。が、2016年は収入が低すぎて所得がゼロ。赤字からのスタートとなりました。

しかし青色申告をしておけば、3年間は赤字を繰り越せるのです。もし今年からお金を稼げるようになっても、去年の赤字分はしっかり差し引いてやります。

自営業の先輩達からのアドバイス

また、著者の上田さんを始めとする、自営業の先輩方からの頼もしいアドバイスも満載。単にお金のことだけじゃなく、自営業としての生き方も教えてもらいました。

自営業は体力勝負、地道にコツコツ仕事など、確かにそうだよなあと頷くものばかりです。

私も万年運動不足なので、最近はスクワットをやっています⇒スクワットで即効足痩せなるか?~3月の1ヶ月チャレンジ~

しかし数々のアドバイスの中でも心に刺さったのは、「自営業は仕事を切らしちゃいけない」という上田さんの言葉でした。これは1年間の休業をした経験を持つ、上田さん自身の実感でもあるのだと思います。

自営業に限らず、一度立ち止まってしまうと、そこから再び元の生活に戻るのが大変です。勤め人でも、病気や妊娠をきっかけに仕事を離れ、元の職場に戻れない人が多くいます。

私は病気もケガもしたことが無いので、休業の恐ろしさというのは実感が湧きません。が、どんなときでも続けないと止まってしまうというのは、ブログを続けるなかで感じてきました。

今はほぼ毎日ブログを更新していますが、やはり嫌になってくることがあります。しかしそこで止めてしまったら、おそらく1年2年経った後「やっぱりブログを続けていれば」と後悔することになるでしょう。

一度始めた以上は、成果が上がるまでは止めたくないものです。今は「来年の今頃は収入がどうなっているか」を希望に、ブログを書き続けようと思います。

将来が不安なのは、どの自営業者でも避けられないことなのだと実感。自分は一人じゃないんだと、ちょっと安心しました。

何より上田さん自身が色々と努力をして、不安を乗り越えたという体験が一番の希望。同じ自営業として、私にも出来るはずだと思えます。

主に自営業者向けの本ではありますが、老後の不安は誰しも同じはず。とにかく将来が不安だ感じたら、読んで欲しい一冊です。

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Posted by yayoi